大阪府・吉村知事が定例会見11月6日(全文4完)民主的な決定に従うのが宿命
どういう気持ちで「間違ってた」と言ったのか
粟野:ご苦労さまです。ジャーナリストの粟野と申します。1日の日のことを蒸し返して申し訳ないんですけど、あのとき会見で確か吉村さん、間違ってたという言葉をおっしゃったと思うんですけどね。これは5年前も橋下さんが否決されたときに、間違ってたんでしょうねという言い方をされたのを思い出したんですけど、半数近くの方が賛成されてるんだと、その人たちに対しては、あれを聞いたらどう思われたのかなっていう気もしたんですけど、あのときはどんなお気持ちでおっしゃったのかなっていうのがちょっと、こんなときになって申し訳ないんですけど。 吉村:いや、全然大丈夫ですよ。まず僕自身は、これは僕自身の考え方ですよ。これは、今も大阪府と大阪市の最も力が発揮できる統治機構の在り方は、僕は都構想だと思ってます。今もね。これは僕の考えです。政治家としての考えとしては今もそう思ってます。だから自信を持って皆さんにも提案をし、賛成の皆さんへの活動というのもやってきました。これは僕の考えです。今もやっぱり大阪の統治機構って何がふさわしいですかと言われれば、僕はそれが最もふさわしいと。市長、知事を経験して、そう思います。そのほうが長い目で見たとき大阪の力が発揮できる仕組みになるだろうと思ってます。ただ、これは僕の政治家としての考え方です。 僕は政治家ですから、やはり市民の皆さんの最終判断っていうのは僕の考え方より上位にある概念だというふうに思ってます。つまり上にある概念が、やはり民主主義だというふうには思ってます。なので、そういった中では、市民の皆さんは、もう1ポイントっていう僅差でありましたけども、結論としては都構想否決ということ、結論を出されたわけですから、そういった意味では僕の考え方が間違ってたんだろうなと。そういうふうに率直にあのときは思ったので、そういうふうに言ったということです。
賛成していただいた人には本当に感謝
これは都構想に賛成していただいた人には本当に感謝ですよ。もちろんこれは、ある意味まだ見ぬ新しい制度に、あれだけ不安があおられる中で、住民サービスが下がるんじゃないか、大阪市がなくなるなくなるってものすごいデマも、いろんなデマも出ましたけど。あのすごい大きな不安はある中で約半数の方が賛成、前に一歩踏み出そうよということを判断していただいたというのは、本当に感謝してますし、本当に大きな希望を僕自身も持ってます。だからもう本当に感謝しかないですね、前に一歩進めと一票を投じてくれた皆さんには。ただ、結果は、でも否決だから。これは民主主義なんでね。そういった中では、僕は今でもやっぱり都構想っていうのが最も適切な、大阪府・市の、大阪の力が発揮できる仕組みだと、統治機構だとは思いますが、もう僕が当事者として、ツートップとしてやった結果が否決ですから、僕の考え方が間違ってたんだろうなというふうに思ってるということです。 粟野:分かりました。ありがとうございました。 吉村:いや、だからこれが評論家とか学者とかであればちょっと違うと思いますよ。評論家とか学者であれば、自分の考えがずっと絶対正しいと言い切って最後まで、それは言っときゃ、言って、大学で講義すりゃそれでいいのかもしれませんが、僕らは政治家ですから、最後は民主的な決定に従うっていうのが政治家としての宿命だというふうに思ってますので。自分の考えが、でも僕は正しいとは思う、政治家としてはそう思うんですが、ただ、やはり否決された以上、やっぱり間違ってたんだろうなと、そういうふうに思ってるということです。 産経新聞:ほかに質問ございますでしょうか。よろしいですか。それではこれで終了させていただきます。ありがとうございました。 (完)【書き起こし】大阪府・吉村知事が定例会見11月6日