料理研究家が直伝!ヘイジーIPAにあわせたいチキンソテー
クラフトビールとは、小規模な醸造所(ブルワリー)で作った手作りのビールと位置付けられていますが、最近では大手ビールメーカーもクラフトビールの開発に力を注いでいます。 【写真】塩こしょうだけで仕上げるチキンソテーの材料 アサヒビールは「TOKYO 隅田川ブルーイング」を立ち上げました。キリンビールも、東京代官山にレストランを併設した「スプリングバレーブルワリー」を開業。10月にはクラフトビール事業部を設置しました。 サントリーは「サントリークラフト」、サッポロは「サッポロ コロコロクラフト」、オリオンビールは「75BEER」など、大手ビールメーカーもマイクロブルワリーと提携したり、発想がクラフト(手作り)であればクラフトビールと位置づけたり、ますますクラフトビール市場は盛り上がっています。 今回もクラフトビールとのペアリングを楽しみつつ、余ったビールを使って作るおつまみを、栄養士の中川佑衣さんに教えていただきました。(吉川愛歩:編集者・ライター、写真:今別府紘行) ■ ヘイジーIPAが今人気! 今回ご紹介したいのは、「ヘイジーIPA」という種類のクラフトビール。「ヘイジー」とは、濁った、霞んだという意味で、ビールがやや濁った色合いをしているのが特徴です。 ヘイジーIPAは、ホップをたくさん使った豊かな香りと苦味が特徴のIPAに、小麦やオーツ麦を使用したビール。濁るのは、たんぱく質がホップとポリフェノールと結びついたためですが、苦味はほとんどなく、香りはさらに豊かに。アメリカ北東部のニューイングランド地方で生まれたといわれています。
■ ヘイジーIPAはペアリングの楽しみが多い 爽やかでフルーティーな味のヘイジーIPAは、苦味がなくすっきりした味わいなので、お料理と合わせるのに向いているクラフトビールです。とりわけ、ジューシーなお肉の脂と合わせると、さっぱりいただくことができます。 今回ご紹介するチキンソテーの他にも、豚の角煮やビーフシチュー、中華など、味が濃いお料理や脂の多いお料理との取り合わせがおすすめ。 また、IPAには他にもさまざまな種類があります。 1. イングリッシュIPA イギリス産のホップを使った、紅茶やハーブティーのような香りのビール。アロマを感じたい方におすすめです。 2. アメリカンIPA アメリカのホップを大量に近い、フルーティーな香りが特徴。他のIPAより苦味がありながらも、果物のようなアロマを感じられます。 3. ペルジャンIPA りんごのような甘酸っぱい香りのベルギービール酵母を使って作られています。華やかで辛口のすっきりさもあり、ワインのおつまみとも相性のいい味わいです。 4. ダブルIPA 麦芽とホップをさらに増やしたIPAで、強いホップの香りと苦味が特徴。重たい印象のある味で、アルコール度数も高めなので、濃い味のビールが好きな方におすすめです。 5. セッションIPA 低アルコールで飲みやすく、ホップの香りはありながらもさっぱりした味わい。アジアの薄いビールがお好みの方におすすめしたい、やわらかい味のビールです。 6. ブラックIPA ローストした麦芽を使い、コーヒーやチョコレートのような深みと香ばしさを感じられます。黒ビールの苦味があるものと、爽やかな味わいのものがあるので、試してみてくださいね。