「施設の場所は親の家・子の家どちらの近くがうまくいく?」親のための施設探しの基本のキを社会福祉士が解説
仕事や子育てと並行し、親が暮らす実家に通いで介護しているという人は多いだろう。親の要介護度が進むと、「施設介護」を検討するケースも。そんなとき、悩ましいのが施設の「場所」選びだ。実家と距離が離れている、他県に住んでいるなどの場合には、親の家の近くか、自分(子)の家の近くで施設を探すのがいいのか――。社会福祉士解説で介護サービス相談員としても活動する渋澤和世さんに解説いただいた。 【画像】両親の遠距離介護介護経験もある社会福祉士の渋澤和世さん
この記事を執筆した専門家
渋澤和世さん 在宅介護エキスパート協会代表。会社員として働きながら親の介護を10年以上経験し、社会福祉士、精神保健福祉士、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーなどの資格を取得。自治体の介護サービス相談員も務め、多くのメディアで執筆。著書『入院・介護・認知症…親が倒れたら、まず読む本』(プレジデント社)がある。
施設選びには「立地」は重要
介護施設を選ぶとき「立地」は重要な要素のひとつです。施設の立地と家族の家との位置関係は、親の生活の質にもかかわる大切なポイントとなります。 親自身がまだ元気で自立の状態のうちに、有料老人ホームなどへの住み替えを検討することもあるでしょう。その場合は、本人の意思で住みたい地域を選択すればよいことです。 住み慣れた地元を選べば、今までと同様のライフスタイルが継続できます。主治医も変わらず地元の活動も継続できます。土地勘があれば外出の機会も増えて健康に過ごすことができるでしょう。 しかし、介護が必要な状況となり、在宅介護が難しい場面になってから介護施設を検討することもあります。 もともと親と同居や近距離の場合はさほど問題にはなりませんが、親の家と距離が離れている場合、「親の家(実家)の近く」か、「介護をする子の家の近くか」で悩むこともあるのではないでしょか? そこで、介護施設は「親の家の近く」がいいのか、「(ケアをする)子の家の近く」かいいのか解説します。まずは、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。