ルイ・ヴィトンの店舗で一躍話題になった日本人建築家って誰…?クールすぎる建築作品まとめ
5 LOUIS VUITTON NAGOYA/愛知県
青木さんはルイ・ヴィトンのショップのデザインを数多く手掛けてきたことでも有名。「LOUIS VUITTON NAGOYA」はその皮切りとなりました。 特徴はなんといっても、前を歩くとその動きに合わせて模様が動き出す斬新なファサードです。これは、ルイ・ヴィトンのダミエパターンを施したガラスを2枚立てることで、モアレ現象※を引き起こして実現している効果。奥行き感が失われ、なんとも不思議な視覚体験を味わえます。 ※規則正しい模様が重なった際に、それらの周期のずれによって視覚的に発生する縞模様のこと。干渉縞ともいいます。 所在地:愛知県名古屋市中区錦3-16-17
6 LOUIS VUITTON OMOTESANDO/東京都
ルイ・ヴィトンのショップの第3弾が表参道のショップです。第2弾の銀座の店舗では第1弾の名古屋と同じく、モアレ現象を利用したファサードを用いましたが、表参道では新しい表現に取り組みました。 設計のテーマは「ヴォリューム」。ルイ・ヴィトンの原点であるプロダクトのトランクを不規則に積み重ねるイメージでつくられた空間が特徴的な建築です。 所在地:東京都渋谷区神宮前5-7-5
7 LOUIS VUITTON GINZA NAMIKI/東京都
ゆらめく水面を思わせる、斬新なファサードが特徴的なショップ。 建物を覆うダブルスキンのガラスのうち、外側のガラスにダイクロイック・コーティングと呼ばれる特殊な加工が施してあり、光やガラスのカーブ、見る角度によって、色彩がターコイズブルーやオレンジに変化するのだそう。 画家のクロード・モネが「ラ・グルヌイエール」という作品で水面を描く際に用いた「筆触分割」という技法を三次元に置き換えることを試みたと青木さんは語っています。 所在地:東京都中央区銀座7-6-1
8 千光寺頂上展望台 PEAK/広島県
品川雅俊が加わり、新体制ASとなっての第一作がこちら。尾道の千光寺の山頂に立つ展望台です。 長さ63メートルの展望デッキから、尾道の街並みや瀬戸内の島々がつくる景色を大パノラマで楽しむことができます。毎年夏に尾道水道から打ち上がる花火もよく見えるそう。 設計のテーマは「尾道市の景観に調和したシンボル空間の形成」。山々のスカイラインを損ねないよう、細く長い橋梁のような形態をとっています。 もともとは市民に愛されてきた展望台と市街地から伸びるロープウェイの山頂駅に橋を架けるようなプランでしたが、耐震性の問題で既存の展望台の取り壊しが決まり、今のかたちが生まれたのだとか。 デッキに至る螺旋階段は、踏面の奥行きを1,210mmとゆったりめにつくられているため、緩やかな坂のような感覚で登ることができます。 ロープウェイ駅と繋がるエレベータも設置されており、ベビーカーや車いすの方もご利用いただけます。 所在地: 広島県尾道市東土堂町20-2
冒頭で触れた『原っぱと遊園地』でいう、“原っぱ” のような(そこで行われることでその中身がつくられていくような)空間が青木さんが手掛ける建築の特徴のひとつと言えるでしょう。 例えば、京セラ美術館新館にある2歩の柱が立つ展示室、大宮前体育館の屋上や銀杏の木を残した2棟の隙間、使い手にとっかかりを与えながらも使い方を委ねてくれる空間が青木さんの建築には組み込まれているのです。 今回ご紹介した以外にも、青木さんが手掛けた公共建築は日本各地に存在します。お出掛けや旅行の際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。