【まもなく15年ぶりの「土星観測」のチャンスが到来!】星を10倍楽しむコツは驚くほど簡単だった 2024年秋に訪れる「衝」を“東大宇宙博士”が解説
数は多くないですが、この秋に流星群を楽しむこともできます。街明かりがなく、たくさんの星が見えるような場所で、10月8日に極大となる「10月りゅう座流星群」を狙ってみてください。1時間に数個ほどの流れ星が見えると期待されています。 太陽系の天体の動きを感じながら、また、神様ののぞき見を期待しながら、流れ星を待ってみてください。 続いては、夜空に輝く星、「恒星」について。 「恒星」は夜空のなかで、恒に位置関係が変わらないことから「恒星」と呼ばれています。お互いの位置が固定されているので、星と星をつないで「星座」をつくることができます。
太古の人々は、星の輝きをどうとらえていたのでしょうか? 古代エジプトでは、太陽は「ラー」という男神、天空は「ヌト」という女神だと考えられていました。ラーは船に乗って、天のナイル川を東から南、そして西へと渡り、そこで天空の女神「ヌト」に飲み込まれ、体のなかを移動していきます。このとき天空の女神ヌトの体内から漏れてくる太陽神ラーの光が「星の輝き」だとされていました。 星の輝きは、太陽がつくり出したものだと考えられていたのです。
■想像力がすごい! 「星座」の物語と「惑星」 星座にまつわる神話が好きだという人も多いでしょう。 星の配置から何を想像するかは、地域によってさまざまです。たとえば、北極星の近くにある「北斗七星」は、日本では「ひしゃく」に見立てられてきました。 しかし中国では、北極星は宇宙にいる天帝で、北斗七星は「天帝の乗りもの(帝車)」だと考えられてきました。 広く普及している「88星座」では、北斗七星はおおぐま座に属していて、7つの星は「熊のしっぽ」にあたります。
ひしゃく、天帝の乗りもの、熊のしっぽーーどれも発想がぜんぜん違いますね。 ギリシャ神話では、おおぐま座の熊はもともと若い女性(の姿をした精霊)で、神の怒りに触れたことで熊に変えられ天に上げられたとされています。神話がつくられた地域では北斗七星は地平線に沈まなかったことから、熊は休むことを許されず、ずっと北極星のまわりを回り続けている、ということになっているのです。 星の見えかたが神話の内容に反映されていることからわかるように、太古の人たちは想像力だけでなく、観察力もすごかったのです。