湾岸タワマンの目と鼻の先の〝無人島〟に100年の歴史 生活圏に隣接も未活用…緑が生い茂る構造物のナゾ
東京の新スポットの景色の中に
その後、旧防波堤を挟んで、有明側の埋め立てや、現在の新豊洲~豊洲市場前エリアの埋め立てが進んだことで、旧防波堤は陸地の間に位置することになり、防波堤としての役割を終え、生活圏とも近接する構造物となりました。 ちなみに「旧防波堤部分には、施設等がないため、いわゆる住居表示(住所)は設定されておりません」と同局の担当者は話します。また、現在は立入禁止ということでした。 周辺にある有明親水海浜公園は、東京五輪の会場として使用された有明アリーナ周辺のみ先行して22年8月にオープン、24年3月に旧防波堤のある東雲運河に沿ったエリアをオープン。10月には東京五輪で使用されたスケートボードパークを含む「livedoor URBAN SPORTS PARK」が追加開園しました。 また、今秋には有明親水海浜公園予定地の西側に西入江が整備され、人工砂浜ができる予定であることも話題になりました。砂浜の工事に着手するのは25年3月ごろ、完成は26年3月の予定です。東雲運河上の旧防波堤に近い東入江水域にも砂浜を整備する計画がありましたが、磯浜などの海浜整備に変更されました。 このように、約100年前に建造され、現在は二度目の東京五輪のレガシーを多く受け継ぐエリアを見守る旧防波堤。「旧防波堤は、緑を保全していく予定のため、砂浜からの緑の景観を楽しんでいただければと思います」と同担当者。これからも景色の一部として、周辺を訪れる人々の記憶に残ることでしょう。