新NISAで積立投資を始めた方へ 日経平均大暴落から改めて考えるやってはいけない投資行動【月刊ヒット記事】
暴落時にやってはいけないこと②NISAの積立投資をやめる
株式市場が将来的に値上がりする可能性が高いならば、「積立投資を継続した方が良い」ということもわかります。 また、積立投資は暴落をチャンスに変えることができる投資方法です。一括投資の場合、暴落が起きたら市場の回復をただ待つことしかできません。精神的にも厳しいでしょう。その負担を和らげてくれるのが積立投資です。 積立投資をすると、「ドルコスト平均法」の効果を味方につけることができます。ドルコスト平均法とは、定期的に定額購入する方法です。金融商品の価格は長期的に右肩上がりでも、短期的には上下に変動しながら推移します。よって、金融商品の価格が安いときにはたくさん購入し、価格が高いときには少しだけ購入することになります。これにより、自然と平均購入単価が下がり、価格が上昇したときに利益を得やすくできます。 たとえば、100年に1度の大暴落といわれた「リーマンショック」が起こった2008年9月から2024年7月まで、毎月1万円ずつ、S&P500と連動する投資信託に積立投資した場合の資産推移を見てみましょう。
<2008年9月から2024年7月まで毎月1万円S&P500に投資した場合の資産推移>
積立元本191万円に対して、資産総額は約829万円と4倍以上に増えています。 概ね右肩上がりで資産額は増えていますが、一直線というわけではありません。2020年2月のコロナショックや2022年2月のロシアのウクライナ侵攻のときには、資産下落が起きています。しかし、それを気にせずに、淡々と積立投資を続けることで「ドルコスト平均法」の効果が得られ、着実に資産を築けていることがわかります。 下落相場や暴落の期間を含めて、元本割れせずに資産を増やしていくには「15年」以上継続して投資を続けたほうがいいという分析結果もあります。 投資に関する世界的名著である『ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第13版>』(バートン・マルキール著)によれば、1950年から2020年のデータにおいて、15年以上継続して投資を続けることで、元本割れがゼロであったと分析されています。 また、金融庁発行の「つみたてNISA早わかりガイドブック」および「NISA早わかりガイドブック」でも、1985年以降の期間で積立・分散投資を20年続けていれば、元本割れしていないという分析結果が公表されています。 これらはあくまでも過去の実績で、将来の投資成果を予測・保証するものではありませんが、積立・分散投資を「15年」「20年」以上続けることで、元本割れリスクを減らしながら堅実にお金を増やせる可能性は高いといえるでしょう。