フォーク伝授と大谷獲得? パドレスの野茂が担う2つの役割
パドレスは、昨年オフもソフトバンクから海外FA権を行使した松田宣浩と、“直接交渉”するなど、本気で獲得に乗り出していた。サンディエゴのアジアコミュニティのファンを球場に集めると同時にアジア地域へのマーケット拡大のために日本人選手の獲得を狙っており、その目玉として、すでに水面下で争奪戦となっている大谷翔平を手に入れるため、日本人メジャーリーガーの“パイオニア”である野茂氏をフロントに迎え、日ハムとの球団同士のルートも強固にしようと考えているのだ。 またプレラーGMは、「私は昨年から野茂と付き合い始めたばかりだが、彼の意見は評価しているし、素晴らしい経験がある。グラウンド外だけでなく、フィールド内でもピッチャーに新しいものを教えてもらいたい」と、野茂アドバイザーに要望。 同記事では、野茂氏の現役時代の象徴だったフォーク(スプリットに似た変化球)が、その新しいもののひとつではないかと書かれ、「フォークを学びたい選手がいるなら、いつでも投げ方を教えます。それぞれの選手が自分自身で学びたいと考えるなら私はいつでもお手伝いをしますよ」という野茂氏のコメントを引き出した。 パドレスのアドバイザーには、野茂以外に、モイゼス・アルー、マーク・ロレッタという2人の元名バッターに、通算601セーブを誇る“レジェンド”トレーバー・ホフマンが名を連ねている。 この記事を書いたデニス・リン記者が、あなたのフォークと、ホフマンのチェンジアップとどちらが凄かった?と質問すると、野茂氏は、ニコっと笑顔を浮かべ、通訳なしに「もちろん、ホフマンのチェンジアップ」と答えたそうである。 常に一歩下がる謙虚な野茂氏の性格を現すエピソードで記事が締めくくられているが、野茂氏のフォークが、肘に負担がかかるとされてタブー視されているメジャーリーグの中で、パドレスの若手に伝授されていくとすれば、その行方も楽しみである。