【藤井聡太式】就学前にやっておくべき学習とは? 遺伝や素質よりも重要な親の関わり方
褒めて褒めて褒めまくると、ストレスに強くなる!?
【和田さん】:先取り教育で自信をつけるのはいいのですが、子どもができない時には無理に課題を押し付けたり厳しく叱ったりして、追い詰めないことが大事です。 とにかく5歳までは叱責や子どもが苦しいと思うことを徹底的に取り除き、褒めて褒めて褒めまくることです。むしろ子どもが「自分は賢いんだ」とうぬぼれて、調子に乗るくらいでいいのです。 心理学者のハインツ・コフートによれば、周りから褒められて育った人のほうが野心的になり、ストレス耐性が強くなると言います。 ストレス耐性が強い人は、さまざまな困難にも柔軟に対応して新しい環境に適応していくことができます。 子育てで一番やってはいけないのは「自分はバカだ」「自分はできない子だ」と思い込ませることです。
子どもの「快体験」をつくる好循環とは
【和田さん】:子どもは、良い循環に乗るとどんどん成長していきます。良い循環というのは、下記のような繰り返しです。 ”わかる・できる→自信を持つ→子どもが自ら挑戦するようになる→多少できなくても、もう一度挑戦してみる→さらにできるようになる” 子どもは何かを教えれば基本的にはできるようになりますが、わからない、できないとしたら、取り組んでいるもののどこかに理解できない部分があるということです。 もしうまくできない場合は、子どもがわからない部分を入念に見つけて、それを一つずつ解消していけばいい。 そして子どもが理解できたら「よくわかったね」「できるようになったね」と声をかけて、子どもに自信をつけてあげましょう。子どもは楽しい気分になり、もっとできるようになりたいと感じます。これが「快体験」です。 子育ての成功の秘訣は、親子ともに、いかに自信を持ち続けることができるかどうかだということ。そのためにまず親が子どもを信じること。子どもが理想通りにできなくても決してあきらめないことです。 親御さんにはなるべく早い時期に、どうやって子どもに成功体験を持たせるかを考えてあげてほしいと思っています。 ※ここまでは『5歳の壁 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』(和田秀樹・著/小学館)の一部から引用・再構成しています。 ■『5歳の壁 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』 和田秀樹 小学館 1,760円(税込) 子どもの人生を左右する「壁」は5歳にあり。壁突破のキーワードは「語彙力」──受験学習法・幼児教育のプロである和田秀樹さんが、5歳までに語彙力を飛躍的に伸ばす具体的なおうちレッスンを紹介。家庭での幼児教育への向き合い方を伝えます。
構成/国松薫