【40代・50代こそ知っておきたい】タンパク質の1日の摂取量は?「体重1kg当たり1g」とるのがよいというのは本当?
加齢とともに特に大切になってくるのがタンパク質の摂取。でも、どれくらいとればよいのだろうか? 1日に体重1kg当たり1gとるのがよいといわれているけれど、それって本当? そこで、最新の分子整合栄養学に詳しい管理栄養士の金津里佳さんに、正しいタンパク質の「摂取量」について伺った。
一般的に推奨されているタンパク質の摂取量は体重1kg当たり1~1.5g
タンパク質の摂取量は、1日に体重1kg当たり1gをとるとよいといわれていますが、この数値はどこから来ているのだろうか? 「厚生労働省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』で推奨している1日のタンパク質の摂取量は、年代によって多少違いがありますが、体重1kg当たり、およそ1~1.5gとされています。例えば体重が50kgの人なら、1日50~75gのタンパク質をとるとよいということです。 では、50gのタンパク質を肉でとる場合、どれくらいの量になるのかというと、食品中のタンパク質量はその食品の重量の20%程度とされています。ただし、肉のタンパク質は加熱すると元の重量の5~10%程度減少するので、肉100gに対して5~10g減ることになります。なので、20gあったはずのタンパク質は10~15gになります。 ですから、肉100gのタンパク質を10gとした場合、体重50kgの人なら、1日に約500gの肉を食べましょうということになります。 実際は、調理による損失分は無視して計算されることがほとんどですので、一般的な栄養指導では1日に肉などのタンパク質を250~375gと言われることが多いです」(金津里佳さん)
いかがだろうか?とても面倒だし、そんなに食べられないと思う人が多いと思うが、本当にこれだけとったほうがよいのだろうか。 「日々の食事でタンパク質量を計算してとることは、実際、非現実的です。加えて、この連載でこれまでにも話してきたように、タンパク質を消化吸収できる量は人によって違います。厚労省が出している推奨量はそれを考慮していないものなので、あくまでも参考程度にしましょう。 消化吸収能力を考慮せずに計算で出した量のタンパク質をとろうと無理に食べても、タンパク質を消化吸収できるとは限りませんし、人によっては消化不良による不快症状のせいで、逆に食べたくなくなってしまい、とる量が結果的に減ってしまうので非常によくありません」