顔の真ん中のニキビをつぶすと「死の危険」ってホント? 安全にケアする方法は
ニキビを安全につぶすには
現実問題として、ニキビを放っておくのが難しいのは専門家も認めている。どうしてもがまんできない場合は、外科処置のように対処すべきだと、ザイクナー氏は言う。つまり、皮膚、手、器具を石けんと水またはアルコールで消毒し、細菌がニキビに入り込むリスクを最小限に抑えるのだ。 また、ニキビが外に出る準備ができているかどうか、つまり、てっぺんまで到達しているかどうかも重要だ。何も起こりそうになければつぶすのをやめるべきだと、リー氏は言う。 指を使うならティッシュで指をくるむか、殺菌済みのニキビ除去器具を使えばなおよい。跡が残らないよう、ニキビに優しく、均等に圧力をかけるようにするとよいと、ザイクナー氏は言う。跡が残ると、ニキビそのものよりも治癒に時間がかかることもある。つぶしたあとは、消毒のために、清潔な綿棒で過酸化ベンゾイルを塗っておこう(編注:日本では過酸化ベンゾイルは処方薬)。 しかし、結局のところ、「つぶすだけではニキビの管理はできません」とリー氏は言う。「サリチル酸製剤は毛穴の詰まりを取り除くことに優れ、黒ニキビや白ニキビの治療に向いています。また、過酸化ベンゾイルには、ニキビの原因となる細菌を殺す効果があります」 ザイクナー氏によると、毛穴の詰まりを取り除くパイプクリーナーのような働きをするレチノイド(アダパレン)も、ニキビケアに効果的だという(編注:日本ではアダパレンも処方薬)。 ただし、ニキビにはたくさんの要因があり、その中にはコントロールが難しいものもある。遺伝、ホルモンの変化、ストレスも、ニキビの発生に関係している。人それぞれ事情は異なると、氏は強調する。 ニキビがなかなか治らない場合、あるいは深くて痛みを伴うニキビの場合は、皮膚科医の診察を受けるのが最善だ。早期の治療により、永久的に残る可能性のある傷跡や変色を防ぐことができる。
文=Natalia Mesa/訳=北村京子