49歳、ガマンできない!「更年期の下痢」で、外出先での便意がこわくて引きこもりに。ホントに年齢のせい? それとも何かの病気!?
「最近、下痢しやすい」「急に便意がして下痢してしまう」などの悩みはありませんか? 日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれてきましたが、昨今の研究では平均値は52歳であるとされ、閉経前後の5年間が更年期と定義されています。 更年期には、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。 【 表 】更年期におすすめな11種類の漢方薬 更年期女性のお悩みのひとつに「下痢」があります。 今回は、更年期の下痢の改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
おなかがゆるい…ランチもカフェもおあずけ?
沙織さん(仮名・49歳)は、半年以上、下痢をしやすい状態が続いて悩んでいます。 「はじめのうちは、『食べ過ぎたかな?』『昨晩冷えたのかも?』と思っていたのですが、食事に気をつけても、おなかを冷やさないように気をつけても、下痢が続いて改善しません」 とくに、脂っこいものや甘いものを食べたり、コーヒーを飲んだりするとすぐ下痢をしてしまうという沙織さん。 「いつ下痢するかと気になって、友人とランチやお茶を楽しむこともできなくなってしまいました」
突然襲ってくる便意が恐怖!
ある日、久しぶりに美容院へ行った沙織さんにアクシデントが起きました。 「パーマをかけている最中に、突然便意が襲ってきたんです。でも、すぐトイレにも行けず、体勢を少し変えただけでももれそうになって……しばらく便意と戦う羽目になって大変でした」 なんとかその場は我慢できたものの、このままでは外出もままならないと落ち込む沙織さん。 「急におきる下痢のせいで外出するのが怖くなって、最近は家に引きこもりがちです」
下痢や軟便は女性ホルモンの減少が原因?
◆ 更年期に下痢や軟便が起きやすい理由 下痢や軟便は更年期の消化器症状のひとつです。 更年期になると、女性ホルモンの急激な減少により自律神経の乱れが生じるため、腸のぜん動運動や便の水分量などに不調をきたし、下痢や軟便になると考えられています。 また、更年期になる時期は女性にとって、子育てや仕事、親の介護などストレスが増えやすい時期でもあるといわれています。 精神的なストレスも下痢や軟便の原因となるのです。 また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、感染性胃腸炎なども下痢の症状があらわれるため、下痢が続く場合は内科や消化器内科などを受診することも大切です。 つづきの【後編】では、更年期の下痢におすすめの漢方薬、選ぶときのポイントについて教えていただきます。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 清水みゆき