メジャーに日本人投手黄金時代到来!
「考えたことなかったですけど、そうですね。ローテーション組めますね」。26日午前、前日の試合で今季初先発をすると、6回3安打2失点の好投で、今季2勝目を挙げたメッツの松坂大輔。その日は、もうさすがに登板がないという安心感からか、リラックスした表情で取材に応じていた。 振ってみたのは、こんな話題だ。現在、日本人先発投手の活躍が続いている。おそらく今、日本人の先発投手は、1995年に野茂英雄がメジャーに挑戦して以来、質、量ともに、最高の状態ではないか。つまり、黄金期を迎えているのではないか。 松坂に意見を求めると、冒頭の感想を漏らした後、「客観的にはなかなか考えられない」とは言いつつ、黒田博樹(ヤンキース)、ダルビッシュ有(レンジャーズ)、岩隈久志(マリナーズ)と順番に名前を出したところで、その後を引き取った。「マサオもいますしね」。マサオとはもちろん、田中将大(ヤンキース)のことで、2009年のWBCで田中とチームメートだった選手らはそう呼ぶのだが、松坂は苦笑しながら続けた。 「ブルペンもここにいますから」。どこか自虐的だが、松坂ももちろん先発の頭数に入っていて、彼を含めれば、5人の先発ローテーションが出来上がる。加えて、セットアッパー、クローザーとして、田澤純一、上原浩治もいる。これで藤川球児が戻ってくれば、日本人投手陣の厚みは、ますます増す。いずれにしてもやはり、これほどのメンバーが過去、一度に揃ったことはなかったのではないか。 そもそもは、岩隈との会話がきっかけだった。これだけ揃って日本人の先発投手が高いレベルで活躍していた時代は記憶にないと話すと、「そうかもしれないですね」と応じた彼は、逆に問いかけて来た。「みんなで、何勝ぐらいで来ますかね?」 過去のデータを調べてみた。先発での勝ちに限った場合、日本人投手のそれをすべて合わせると、年間でどのくらいになるのか。すると2002年に野茂、石井一久、大家友和、吉井理人の4人で、47勝を挙げたのがトップだった。それからしばらく、40勝以上を挙げたシーズンはなかったが、過去2年は42勝、41勝と安定している。 今年は今のところ(5月31日現在)、ダルビッシュ(4勝)、岩隈(3勝)、田中(7勝)、黒田(4勝)、松坂(1勝)※の5人で早くも19勝。このままなら60勝を超える勢いだ。※リリーフで松坂が1勝しているが、それは含めない。 「改めて考えると、凄いメンバーですよね」と話したのはロイヤルズの青木宣親。「先発ローテーションを組んでも、メジャートップクラスじゃないですか? で、抑えには上原さんとかいるし」。確かにその通りだろう。