古河電工、日・比に水冷部材新工場。データセンター関連需要捕捉
古河電工は24日、日本とフィリピンに水冷部材の新工場を設けると発表した。水冷部材は半導体チップなどを極めて高効率に冷却するもので、同社はその市場に新規参入。すでに受注を獲得し2026年度から量産する。データセンター関連需要を捕捉して、27年度には250億円の売上確保を目指す考え。新工場は平塚事業所(神奈川県平塚市)とフィリピンのルソン島サンタローサ市に設ける。 同社ではサーマル・電子部品事業として半導体チップの冷却などに用いるヒートシンクやヒートパイプなどの熱対策部材を製造・販売。現在は空冷方式などの製品を市場に展開する。昨今生成AI市場の急成長に伴うデータセンターの高発熱化への対応として、高性能な冷却部材の要求が高まっている。その中で今後は水などの液体を循環させて、極めて高効率に熱を回収する水冷方式の適用割合が増加するとみられている。 現在までにデータセンターで生成AI関連の情報を処理するサーバー向けに水冷部材の受注を獲得。26年度の量産開始に向けて日本・フィリピンの両国に製造工場を新設する。国内での設計開発力強化と、安定供給を踏まえた多拠点による製造体制の整備で、生成AI普及を支えるデータセンターの進化に貢献するとしている。 平塚は主に設計開発、フィリピンは製造の機能を担う。平塚の新工場は延べ床面積が1911平方メートル、フィリピンのラグナ工業団地に立地する新工場は1万6406平方メートル。それぞれ26年10月の量産開始を予定している。新設両工場ともに再生可能エネルギー由来の電力を活用。温室効果ガスの排出を抑える。同社では「今後も高性能・差別化製品の提供で、成長著しい通信インフラ分野の発展に貢献していく」としている。