次世代航空機に搭載…出力2000kW「超電導モーター」、東芝とエアバスが実用化へ
共同研究を開始
東芝は16日、欧エアバスと提携し、水素を燃料とする次世代航空機に搭載する超電導モーターを開発するための共同研究を始めたと発表した。実現すれば航空機の運航における電力損失の軽減や軽量化などが期待できる。今後、2年程度をかけて実現可能性を調査し、高出力化や効率性、軽量化、安全性などを検証していく。エアバスは水素燃料の航空機について2030年ごろに実証機を開発し、40年ごろの実用化を目指す。 【写真】送電損失を95%以上削減するすごい「超電導ケーブル」 東芝傘下の東芝エネルギーシステムズ(川崎市幸区)とエアバスの子会社が発表した。出力2000キロワットの航空機用の超電導モーターを開発する。 16日、都内で会見したエアバスのグゼゴルツ・オムバッハシニアバイスプレジデントは「東芝はこの超電導モーターの分野で世界的なリーダー。エアバスの技術と合わせ、脱炭素で勝てる技術を作ることができる」と期待を込めた。 東芝の竹内努執行役員(東芝エネルギーシステムズ取締役)は、超電導モーターが実用化されれば「航空機だけでなく、(船舶や自動車など)大型のモビリティー産業にも革命をもたらすことができる」と強調した。 東芝は50年以上にわたって医療用などの超電導技術の開発と製品化に取り組んできた。22年にはモビリティー用に2000キロワットの超電導モーターの試作品を開発しており、同等の出力のモーターと比べて10分の1以下の軽量・小型化を実現している。