福島原発告訴団の会見(全文2/完・質疑応答)安全アピールは東京五輪のため
なぜ行政がうそをついていると思うのか?
BBC Brasil:BBC Brasilの者です。長谷川さんに対して質問したいんですけれども、先ほどお話にあった土壌の汚染のその分析というのは、どういったところでその分析が行われた、ということについてまずお聞きしたいです。そして政府がうそをついているというような話があったんですけれども、その根拠、そしてなぜそういったような状況になっているのかについて、ぜひご意見聞かせてください。 私のこの土壌分析については、日本大学の糸長教授、糸長浩司研究室のほうに依頼をして行いました。それで、その内容については土壌分析ならず、大きなスギの木の汚染度、そういうものも行っております。そしてあとは、土壌分析については、コア抜きで、30センチまでのコア抜きでも行っておりました。あとなんでしたっけ。 男性:なぜ政府が。 通訳:政府のうそについて。 男性:そのデータについてうそをついているというふうに言えるか、なぜそういうふうになってしまったか。 長谷川:国の対応なんですけども、これについてはやはり、今度の東京で行われる予定のオリンピックに向けての発信だと思います。われわれは、この福島第一原発の事故の当事者、われわれが、このオリンピックについては邪魔なわけですよ。だから国としては早く幕を引きたい、早く終わったよ、もう日本の国は大丈夫なんだよ、安全だよということをアピールをしたいと。そういう意図が非常に多く働いているんではないのかなと。そういう思いが強く感じます。
除染の状況がいまどのくらい進んでいるのか?
記者2:フランスのソトクワイナと申します。今日はありがとうございました。 除染についてお伺いしたいんですけれども、私自身も10日前ほど福島第一のほうも取材に行ったわけなんですけれども、そのときやはり原発の中ではまだ5~7シーベルトぐらいの線量のあるところが、いまでも残っているという状況がありました。いま、実際そのそこに行く道でも、やはり何千もの黒い袋がまだたまっている状況も目撃したんですけれども、その袋が3~5年ぐらい保証されているというふうに私たちは聞かされたんですけれども、やはり時間がたってその袋が古くなってたりですとか、状況が悪くなっているというようなこともあると思います。 そのいま、除染の状況をどういうふうにいま、進んでいるというふうに評価されているでしょうか。そして袋の状況、そして今、特に懸念することがあればぜひ教えてください。 長谷川:除染についての質問を受けました。それで、私の村、飯舘村もいまの除染の進捗率は、除染を3年後に終えまして、それで進捗率が約50%、約半分までしか進んでいないわけです。そして国では、今年の12月までに飯舘村の除染を終えますよと言っているわけですね。私としてはそんなことはあり得ないと思ってます。申し訳ない。今、私は飯舘村という表現をしましたけども、今年の12月までに除染を終えるというのは、今の避難指示区域、帰還困難区域を除いた避難指示区域、全てでございます。 そしてフレコンについては、2年~3年くらいが限度だろうという話がたくさん聞こえます。そういう中で今現在は大きなシート、今、私のところでもフレコンがだいたい5段くらいに積み重ねられております。そしてそれは、積み重ね終わったところから大きなシートに覆われています。 そのために、いま現在は中の状況が見えないようになっています。しかし、2年くらい前にテレビ局なんかで報道された、私も見ましたけども、まだそういう覆いがされていないところでは草木がはみ出して、そして出ているところもたくさんありました。 そして、大きな覆いシートにかぶされたその形を見ますと、当初積み上げられた当時はきれいな形になっています。ところが今は、もうでこぼこになっていると、そういう状況です。ということは、中がもうどういう状況になっているのか、ちょっと分からないんですけども、ただ中はもうつぶされて、そういう状況にはなっているということが思われます。