箱根駅伝 青学大・若林宏樹が山上りの5区で激走 〝元祖・山の神〟も上回る区間新で往路逆転V
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場=107.5キロ)青学大が5時間20分1秒で2年連続7度目の往路優勝を飾った。1区は区間10位と出遅れたが、エース区間の2区で黒田朝日(3年)が区間3位、4区で太田蒼生(4年)が区間賞の走りで45秒差まで猛追。山上りの5区で若林宏樹(4年)が1時間9分11秒の区間新記録を樹立し、逆転に成功した。3日の復路で2年連続8度目の総合優勝が懸かる。中大が1分47秒差の2位、早大が2分29秒差の3位に入った。 最後の力を振り絞り、懸命に腕を振る。青学大5区の若林宏樹が両手を広げ、自身3度目となる往路優勝のゴールテープを切った。 「目指してきた区間新区間賞でうれしい。非常に苦しかったが充実した1時間だった。終わりよければすべてよしではないがやり切った」 1区から大逃げを図った中大に先行され、4区終了時点で45秒差。それでも青学大には〝若の神〟こと若林がいる。序盤は落ち着いて入り、坂がきつくなるほど差を縮めた。9・6キロ付近で中大を抜き去ると、以降は後続との差を広げた。 前回大会で城西大の山本唯翔(現SUBARU)がマークした区間記録(1時間9分14秒)、〝元祖・山の神〟こと今井正人(当時順大)の旧コースでの参考記録(1時間9分12秒)も上回る1時間9分11秒で箱根芦ノ湖まで駆け抜けた。 ゴール後は酸欠や脱水症状で体調を崩して倒れた。2月の別府大分毎日マラソンに出場予定だが、卒業後は競技生活から引退する。最後の箱根路ですべてを出し切り、「過去2回走った経験と山に対する思いで走り切れて満足」と安堵の表情。目標の1時間8分台には届かず「山の神になれていたけれど」と苦笑いも浮かべたが、後悔はない。「この記録を目標として、青学大に入学してくれる子が山の神を目指してくれたらうれしい」と後輩に思いを託した。 優勝大本命のプレッシャーをはねのけて往路制覇。2年連続の総合優勝で仲間と笑顔で会いたいなどの意味を込め、「あいたいね大作戦」を発令していた原晋監督(57)は「(あいたいね指数は)99%まで跳ね上がった。あとは山下りでしっかり下って7区から余裕を持って大手町に帰りたい」と胸を張った。