ステップ系やジャンプ系のメニューで踏む力がアップ中!【青木瀬令奈の強さは分離動作&踏む力➁】
国内女子ツアーにおいて9季連続でシード入りを果たした青木瀬令奈は小誌連載でおなじみ、斎藤大介トレーナーの指導を受けている。週刊ゴルフダイジェスト合併号では彼女の強さの秘密を探るため、トレーニング現場に密着。するとアマチュアにも役立つヒントが満載だった!「みんなのゴルフダイジェスト」では2回に分けてお届けする。【全2回中2回目】 飛距離が5Y伸びた、青木瀬令奈のドライバーショット(撮影/大澤進二)
アプローチの精度を高める軸の安定
上下の分離動作はパッティングだけでなく、アプローチにも効果があると斎藤トレーナーは語る。だが、トレーニングメニューは少し変わるという。 「アプローチはテークバックやフォローなど、ショットの動きに近くなります。ですので、長い棒を斜め上、斜め下に振る動きが最適なんです。斜めに棒を振ることで水平回転(体の回旋)にはない側屈や屈曲、伸展の動きが加えられます。これらの動作はスウィングのベースになるもので、ねじる動き(ツイスト)が身に付きます。その結果、上下の分離動作によるブレない軸が生み出せます」(斎藤)
青木が実践する「ツイスト」トレーニング
ツイスト①ドライバーのスタンスで斜めにツイスト 「長い棒を斜めに振ることで体にねじり動作(ツイスト)が加わります。水平方向への体の回旋だけでなく、側屈、屈曲、伸展がすべて含まれた上下の分離動作に欠かせないトレーニングです」(斎藤)
ツイスト➁前後片足で斜めにツイスト 「難度が上がる前後片足での斜めツイストはおすすめです。完全に片足だと難しすぎるので後ろ足は小さめの台に乗せます。上から下、下から上を両方行うと効果が高いです」(斎藤)
トレーニングの効果は飛距離にも表れていた
2024シーズンにおいて数々の自己記録を更新したという青木。なかでも本人が一番驚いたのが、ドライビングディスタンスだ。2023年より飛距離が5ヤード以上伸びている。 「平均パット数、平均ストロークは自信につながりますが、実は飛距離も過去イチでした。これこそトレーニングの効果なのかもしれません。ただ飛距離が伸びたことで今までにない負荷が足にかかり、それがケガにつながった可能性も考えています。それは今後見直していくつもりです。私のプレースタイルではFWやUTがスコアメイクの生命線でしたが、アイアンを持つ機会が増えて、逆に難しさもありました。飛ぶようになったことは大きいですが、やはり私には安定したゴルフが合います。飛距離については、大西コーチや斎藤さんと相談しつつ、取り組んでいきます」(青木) 青木の飛距離アップには、どんな要因があるのだろうか? それについて斎藤トレーナーは、 「スウィングは大きく2タイプに分かれます。回転系と踏み込み系です。青木選手は踏むタイプなのですが、体重比で見ても踏む力がとても強いです。そのため、トレーニングもステップ系やジャンプ系のメニューを多めに取り入れていて、それが踏む力の向上につながっていると思います。この踏む力は、スポーツ全般に必要とされるものです。ですので、アマチュアにもおすすめできるトレーニングメニューと言えます。青木選手と同様、飛距離アップは大いに期待できると思います」