盛り上がる婚活市場「パーティーは常に満席」…結婚したい若者増加、地域活性化へ地銀も支援
婚活市場が活況を呈している。コロナ禍の行動制限による孤立感を背景に若年層で結婚への関心が高まり、ニーズが膨らんでいるためだ。婚活支援の大手企業が主催するパーティーは満席状態が続くほか、地方銀行も地域活性化につながるとみて力を入れている。ただ、人口減少は今後加速する見通しで、サービスを展開する企業側の対応力が問われそうだ。(橋本龍二) 【グラフ】九州・山口・沖縄の婚姻数と人口の推移
コロナ収束で規模拡大
「休みの日は何をしていますか?」「舞台(演劇)をよく見に行きます」
福岡市博多区の結婚式場で4月下旬に開かれた婚活パーティーで、参加した計36人の男女がグループに分かれ、会話を弾ませていた。年齢層は20歳代後半から40歳代半ばと幅広く、福岡県内を中心に大分、熊本などからも訪れていた。
参加者はパーティーの最後に、それぞれ「意中の人」のリストを主催者に提出。互いに合えば連絡先を交換でき、この日は複数のカップルが誕生した。
医療機関に勤める福岡県内の男性(40歳代)は「結婚を意識する相手が周りにいないので、貴重な機会でありがたい」と話す。
パーティーは、東京証券取引所プライム市場に上場している婚活サービス大手IBJ(東京)のネットワークに加盟している福岡県内4事業者が合同で開催。コロナ禍で縮小していた規模を昨年9月から拡大した。主催事業者の一つで結婚相談所「ストーリーズマリッジ」(福岡市)の代表を務める中冨敦史さん(58)は「常に満席状態が続いている」と話す。
不動産業のオープンハウス(東京)は1月、住宅への価値観が合う男女を引き合わせるサービスを始めた。今月9日には福岡市でイベントを実施し、20~30歳代の70人が参加した。
出会いの機会少ない地方
婚活支援サービスの盛り上がりが続く主な理由は、コロナ禍による意識の変化だ。内閣府の2020~23年の調査によると、感染拡大前と比べ結婚への関心が「高くなった」「やや高くなった」はどの年も20歳代で計3割を超え、「低くなった」「やや低くなった」の計1割程度を上回った。