銀行の新札両替で「新紙幣」が出てきました。できれば「野口英世」の1000円札が欲しいのですが、交換は可能ですか? セルフレジなどで“使えない場合”に備えたいです…
新紙幣の発行が始まりました。流通から1ヶ月以上経ちましたので、すでに渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎の肖像画がデザインされた新紙幣を手に入れた人も多いのではないでしょうか? 銀行の両替機で新札両替すると新紙幣が出るようになっているところがほとんどですし、旧紙幣から新紙幣への両替も行っているので、新紙幣を手に入れるのは意外と簡単かもしれません。 しかし、新紙幣は使えない場面が多く不便な一面も。食券や入場券などを購入するための券売機やセルフレジ、自動販売機などの対応が間に合っていないことが原因です。この記事では新紙幣から旧紙幣に交換することはできるのかどうか、なぜ新紙幣対応が遅れてしまっているのかについて解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
新紙幣から旧紙幣へ交換はできる?
新紙幣取り扱い開始後は原則、旧紙幣の新券の両替は行っていません。ATMでのお取引はしばらくの間、新紙幣と旧紙幣が混在するようですので、福沢諭吉・樋口一葉・野口英世の旧紙幣が出てくる可能性もありますが、新紙幣・旧紙幣を指定しての取引は難しいでしょう。 銀行窓口で相談した場合、旧紙幣を指定しての取引や新紙幣から旧紙幣への交換ができる可能性があります。実際、SNSでは「ATMで新紙幣が出てきたので旧紙幣に交換してもらった」という声もありました。しかし、新紙幣から旧紙幣への交換は銀行の公式サイトなどでは案内されていない業務のため確実ではありません。
新紙幣対応が進んでいない理由
新紙幣の流通に伴い、自動販売機や券売機などの機械の入れ替えや新たな設置が必要になりますが、対応が進んでいない理由は「コスト」にあります。 新紙幣に対応する新たな機械の導入資金は、基本的に各企業の負担です。IT・ロボット等の製品導入を支援する中小企業省力化投資補助金や、さまざまな制度変更に対応するための経費に対して補助が受けられる小規模事業者持続化補助金などといった制度があります。 しかし、それぞれ条件や金額に上限があることから、新紙幣対応を進められない企業も多く、なかなか機械の入れ替えや設置が進んでいないのが現状といえるでしょう。一部の自治体では独自に新紙幣対応のための補助金制度を行っていますが、全国ではありません。 中には、新紙幣しか持っておらず有人レジに並び新紙幣から旧紙幣に両替してもらってから無人レジを利用するといった本末転倒のようなパターンもあるでしょう。