寝苦しい…日本でも超早いペースで熱帯夜が増えている
日本の主要都市では熱帯夜が激増
直近10年における熱帯夜の平均増加日数が7.7日の日本ですが、主要都市によって増加日数は大きく異なっています。とりあえず、熱帯夜爆増の都市が多すぎ。 熱帯夜爆増都市のトップは大阪市で、10年平均で35.8日の増加。1カ月以上増えてますね。日本の平均よりも5倍近い速さで夜が暑くなっています。隣りを見ると、西にあたる神戸市は32日増、東の京都市は17日増と、増加ペースが違いますね。 他の主要都市では、東京特別区が27日増、名古屋市が32日増、新潟市は21日増、北九州市が18日増、広島市は11日増と、すべて世界と日本の平均を上回るペースで熱帯夜が増えており、ほとんどの都市が加速傾向にあります。 仙台市(4日増)と札幌市(10年で2日増)も熱帯夜が増えていないわけじゃありませんが、関東以西と比較すると増加ペースは緩やかです。ただ、両市共に後半の増加ペースが、他地域の都市よりも速くなっているのが気になります。 一般的に気温が低い地域は温暖化が速く進むといわれています。東北や北海道では、熱帯夜の増加傾向がますます顕著になっていきそうです。
熱帯夜増加がヤバい理由
夜間の気温が高いと体が冷えず、日中の暑さから回復できなくなるため、危険です。クライメート・セントラルは報告書で、熱帯夜の日はそうじゃない日よりも死亡率が50%高くなり、脳卒中や心疾患などのリスクも高くなると指摘します。 また、エアコンがない地域や、経済的にエアコンの使用をためらいがちな人は、暑さによって睡眠時間が短くなり、睡眠の質も低下します。睡眠時間が短く質が悪いと、身体的・精神的な健康状態の悪化、認知機能の低下、平均余命の短縮など、さまざまな悪影響が出ます。 このような影響は、高齢者や子ども、基礎疾患を持つ人など、暑さに弱い人にとって特に深刻な問題です。 報告書は、世界中で熱帯夜が増加しているのは、化石燃料の燃焼による気候変動が原因と指摘しています。長期的に見ると、やはり気候変動対策が急務ですね。 Source: Climate Central
Kenji P. Miyajima