「補償を最後まで行い廃業」ジャニーズ事務所が会見(2023年10月2日)(全文1)※冒頭発言のみ
私には経営に関する権限はなかった
そして、母メリーは私が従順なときはとても優しいのですが、私が少しでも彼女と違う意見を言うと、気が狂ったように怒り、叩き潰すようなことを平気でする人でした。20代のときから、私は時々過呼吸になり、倒れてしまうようになりました。当時病名はなかったのですが、今ではパニック障害と診断されております。私はそんなメリーからの命令でジャニーズ事務所の取締役にされておりましたが、事実上、私には経営に関する権限はありませんでした。 そして、2008年春から新社屋が完成した2018年まで、一度もジャニーズ事務所のオフィスには足を踏み入れておりません。これは性加害とは全く違う話で、私が事務所の改革をしようとしたり、タレントや社員の環境を整えようとしたことなどで、2人を怒らせてしまったことが発端です。 ジャニーとも2008年ごろから2016年ごろまで、ライブ会場ですれ違うことはあっても、会話はしておりませんでした。その後、ジャニーの稽古場に呼び出されて、久しぶりに話しましたが、それ以降もジャニー本人にあったのは数回です。 その期間のジュニアからのデビューや、管轄外のグループの解散のプロセスにも関わっておりません。メリーからは、私の娘である孫に会いたいと切望され、1年に数回一緒に食事をすることや、お正月には、孫と旅行することを決められておりましたが、私自身はメリーと話をすることを極力避けて生きてきた人生でした。 このような説明をすると、嘘だとか、親子で仲が良かったのを見たことがあるなど、またバッシングされる記事が大量に流れるのだと思いますが、近い関係者の皆様、タレントの方々、社員などであれば、こうした事情を知っていると思います。
1人も漏らすことなく、ケアしていきたい
心療内科の先生に「メリーさんはライオンで、あなたはシマウマだから、パニック障害を起こさないようにするには、この状態から逃げるしかない」と言われ、自分で小さな会社を立ち上げ、そこに慕ってくれるグループが何組か集まり、メリー、ジャニーとは全く関わることなく、長年仕事をしておりました。 このような理由で、ジャニーがいる稽古場とは全く違う場所で働いており、ジュニアの皆さんとの接点もなかったので、今回、申し出てくださった中で、私がお会いしたことがあるのは9人です。それ以外の多くの方々とはお会いしたことがないのです。 今から思えば、ジャニーの親族であり、女性である私に、ジュニアの皆さんはもちろんのこと、タレントの皆さんも、噂話をすることや相談もしにくかったのではないかと思います。今、被害を申告されている方々の中で、私を含めて現在の役員が被害者の方々について直接知る情報は、在籍していたかどうか以外にほぼございません。 そこで、ジャニーやジュニアと私以上に近い距離で接していらした元役員、元社員、そして外部スタッフの皆さまには、被害者救済のご協力をぜひお願いできたらと思っております。 ジャニーズ事務所は廃業に向かっておりますが、1人たりとも被害者を漏らすことなく、ケアしていきたいと思っております。知らなかったということを言い訳にするつもりは全くありません。メリーが言うことを信じてしまっていたことや、そしてそれを放置してきた自分の鈍感さ、全て私の責任です。 また、今回、なぜ私が100%の株主で残るのかと多くの方々から批判されました。実は、多くのファンドの方々や企業の方々から、私個人に有利な条件で買収のお話もたくさんいただいております。そのお金で相続税をお支払いし、株主としていなくなるのが、補償責任もなくなり一番楽な道だとも、何度も何度も多くの専門家の方々からアドバイスされました。 しかし、100%株主として残る決心をしたのは、他の方々が株主で入られた場合、被害者の方々に法を超えた救済が事実上できなくなるとうかがったからでした。そういう理由で現在の会社には株主100%として残りますが、チーフコンプライアンスオフィサーを外部から招へいし、今後私は補償とタレントの心のケアに専念し、それ以外の業務には一切当たりません。 また、今後私は全ての関係会社からも代表取締役を降ります。また、ジャニーとメリーから相続をしたとき、ジャニーズ事務所を維持するためには、事業承継税制を活用しましたが、私は代表権を返上することでこれをやめて、速やかに納めるべき税金を全てお支払いし、会社を終わらせます。