「奨学金返還中の社会人」です。もし事故などで私が「働けない状態」になった場合、返還は続けなければならないのでしょうか?
奨学金を借りると、社会人になってから毎月一定額ずつ返還を行う必要があります。しかし、事故に遭い働けない状態になってしまった場合、収入が途絶えて返還が難しくなる可能性があります。そのような場合には、どのようにすれば返還を続けられるか気になるものです。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説 本記事では、奨学金の返還が難しい場合に利用できる制度を紹介するとともに、返還が免除されるケースについても解説します。
奨学金の返還が難しい場合の対処法
ここでは、奨学金の返還が難しい場合の対処方法を紹介します。 ■減額返還制度 減額返還制度とは、1回あたりの返還額を最大1/2まで減額できる制度です。1回の願出で適用期間は12ヶ月、最長15年間の延長が可能です。収入の大幅な減少や経済的事情により毎月の返還が難しくなった際に利用できます。 ただし、すべての人が利用できる制度ではなく、定められている適用条件をクリアする必要があります。日本学生支援機構によると、主な条件は以下の通りです。 ●経済的理由(※)により奨学金の返還が困難な状態であること ●減額することで返還が可能な状態であること ●制度への申請時点で延滞していないこと ●口座振替(リレー口座)加入者であること ●月賦返還であること ※年間収入が給与所得者であれば400万円以下(扶養している子どもが2人の場合は500万円以下、3人以上の場合は600万円以下)、それ以外の者であれば300万円以下であること ■返還期限猶予制度 返還期限猶予制度とは、一定期間返還を先送りできる制度です。やむを得ない事由によって返還ができなくなった場合に限り利用できます。最長10年間の返還猶予が認められ、猶予期間中は金利が適用されません。ただし、制度を利用するためには以下の条件を満たす必要があります。 ●返還者本人の年収が一定基準を下回っていること ●災害や病気によって失業または収入が減少し、返還が困難な状況であること 一定の収入がある場合の適用には、相当する理由が必要です。