排気量の大きいグレードが「松」なのか? ベストなエンジンを選ぶ考え方
カタログ値だけで決めてはいけない
さて、まとめに入ろう。エンジン出力とシャシーの関係に適正値があるという筆者の考えは変わらない。パワーは多ければ幸せというものではない。しかし、量的な問題だけでなく、レスポンスのわずかな遅れという質的な印象でも、人間はそういう不安を感じるということも分かった。筆者はその違和感の原因をパワーの余剰だと見誤っていたが、少なくとも当初から「あれっ?何かおかしいぞ」とは感じたわけだ。 エンジンとシャシーの「ちょうど良い」は、パワーという量的な問題だけでは分からない。ちゃんと比較して乗ってみて、一番気持ちよく走れたのはどれかということがとても重要なのだ。人の感性は意外に敏感なのだ。くれぐれもカタログだけみて、いきなり「松」を頼まない方がいい。乗ってみないと分からないことは沢山あるのだ。 (池田直渡・モータージャーナル)