相手を怒らせる「ダメな褒め言葉」の問題点、あなたが人として「好かれる5つの褒め言葉」
近年は、部下でも子どもでも「褒めて育てる」ことがよしとされていますが、ただ褒めればいいわけではありません。時にはせっかく褒めたのに、相手の反感を買ってしまうこともあります。どうしてそんなことが起こるのか、一緒に探っていきましょう。 【TOP10】職場で「セクハラだ」と感じる行動ランキング
◆なぜ?「褒めた」つもりが相手がキレた
自分としては褒めたつもりでいても、相手がキレてしまう場合があります。例えば、以下のようなケースでは、何が原因なのでしょうか。 ・日頃なかなか成果の上がらない部下の努力について、よくやっているなと思って褒めた→「バカにしてます!?」とキレられた ・「やればできるじゃない! さすがだね」と褒めた→「まるで、今までやらなかっただけでしょと言われているみたいで不快です」とキレられた ・たびたび外見について褒めていた→「私はまるで、中身のない人間みたいですね……」と不貞腐れてしまった いずれも自信を持ってもらいたい、いいところを伸ばしたい一心でかけたねぎらいの言葉だったはずが、真逆の反応をされてしまった事例です。
◆言葉以外の裏メッセージに要注意
これらの「褒め言葉」に、何か別のメッセージが込められていなかったか確認してみましょう。 成果の上がらない部下に対して、ねぎらいの気持ちとは別の感情がなかったでしょうか? もしも、「よくやるよ。諦めも肝心だと思うけど」といったあきれや上から目線の感情とともにため息混じりに言ったとしたら、相手は非言語情報を感じ取って「バカにされている」と思うかもしれません。 また、「やればできるじゃない! さすがだね」と褒めた際に、「最初からやればいいのに」といった本音をにじませてはいなかったでしょうか。 言葉を発した時の感情が、口調や表情、態度に表れ、相手に不快感を与える場合があります。裏メッセージや嫌みのない「純粋な思い」で褒められたら、コミュニケーションエラーも減ることでしょう。
◆伝え方だけが原因ではない
一方で、相手の外見を褒めたら「中身のない人間みたいだ」と不貞腐れてしまったケースは、あなたの伝え方のせいではなく、相手の「受け止め方」の問題でもあります。 「認知のゆがみ」といって、受け止め方がゆがんでいるケースがあります。それは、幼少期に身につけた「感情の条件反射」です。よくあるのは、すねる、いじける、反発する、自己卑下、被害者意識などです。毎回そんな反応をされたら、たまったものではありません。 臨床心理学者のアルバート・エリスが提唱した論理療法の中に、ABC理論というものがあります。それは、「起きた出来事(A)」に対する「結果(C)」は、「捉え方(B)」で変わるという理論です。 Bは「Belief(信念)」のBでもあり、捉え方をチェックすることで事実に基づかない思い込みに気付く場合があります。 認知のゆがみが強い部下に対しては、この捉え方が事実なのか解釈なのかを判断してもらうことで、自分自身の「考え方のクセ」に気付く機会になります。