米債券トレーダー、25年以降の手掛かり求めドット・プロット注視へ
(ブルームバーグ): 2024年を通じて米政策金利がより長くより高く据え置かれる見通しを受け入れた債券トレーダーは、25年以降にどう対処するか手掛かりを得るため、米金融当局が12日に公表する新たな四半期経済予測の金利予測分布図(ドット・プロット)を注視する見込みだ。
連邦公開市場委員会(FOMC)参加者は3月の時点で、年内3回の0.25ポイントずつの利下げを中央値で予想していた。だが、5月の非農業部門雇用者数の予想を上回る伸びを含め一連の力強い経済データを受けて、利下げ見通しを後退させると予想される。
2日目のFOMC会合が終了するわずか数時間前の米東部時間12日午前8時半(日本時間同午後9時半)には、5月の米消費者物価指数(CPI)が発表され、金融当局者が心地よいと感じるゾーンを大幅に上回る数字が示される可能性がある。
データ面で早期利下げの余地はほとんど期待できない状況にあって、来年にかけて将来的に利下げがあるとしても、多くの人々が以前に予想していた一連の引き下げではなく、金融政策の微調整にとどまるのかどうか、投資家の間で議論が繰り広げられている。両者の違いは市場に大きな意味を持つ可能性がある。
ウィズダムツリーの債券戦略責任者、ケビン・フラナガン氏は「直ちに関心の的を25年に切り替える」と述べるとともに、「年内に1回もしくは2回の利下げがあるかもしれないが、来年は何回となるだろう」と疑問を提示。「今年下期(7-12月)に向かうのに当たり、この問題が急速に関心の中心になるだろう」との見方を示した。
米経済は底堅く推移し、米金融当局は23年7月にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを5.25-5.5%に引き上げて以降、この水準に据え置いている。米2年債利回りは5%をわずかに下回る水準で推移し、10年債利回りは4.5%前後となっている。
市場が現在織り込んでいる年内利下げは0.25ポイントずつで2回未満だが、米景気が最終的に減速し、利下げサイクルが始まるというのが一般的な考えだ。ただし、こうした見方にも変化が生じ始めている。