勉強が苦手な子のドリルに共通する「謎の空欄」の意味とは? 算数塾の塾長が見つけた子どもの本音
勉強に対して、親は深刻になりすぎない方がいい
──勉強と楽しさを両立させるにはどうしたらいいでしょうか? 子ども自身に主体性があれば、勉強は楽しくなります。 人間にはそもそも知的な好奇心があります。「生きるために知識や情報を得たい」という根源的な欲求を呼び戻さないといけないんです。 子どもにはぜひ、学校の勉強は、クイズやなぞなぞみたいなものだと教えてあげてください。クイズを出すと、子どもは喜んでいろいろ考えたり、思いついた答えを言ったりしますよね。そこで間違っても、別に恥ずかしくはない。学校の勉強もそれと同じだよと伝えてあげてほしいです。 ──子どもが勉強に対してマイナスな感情を持ってしまったときに、親にできることはありますか? 学校で教わることはすべて教科書に書いてありますし、さほど奥深さはありません。数学の先生だって、授業で色々と生徒に教えますが、その中にその先生が発見したことは1つもないですよね。(笑) そのような勉強で優劣をつけられた結果、劣等感を持つのはもったいないことです。 以前私が教えていた中学生の生徒が、あるテストでかなり悪い点を取りました。その点数を親御さんにお伝えした時の、お母さんの反応が印象的でした。怒るどころか、「次行こう!」と元気よくガッツポーズをしてくれたんです。 その後、その生徒は努力を重ねて、最終的にはレベルの高い高校に見事合格することができました。 このような例もあるので、親は深刻になりすぎず、軽やかにふるまった方が良いですよ。 (取材・文:nobico編集部 中野セコリ)
田邉亨