多くの人は無自覚だが、じつは国民ひとりあたり「182万円」を「持って」いる…この数字が「意味するもの」
2024年11月28日に、メルカリが衝撃的な数字を発表しました。「持ちモノ資産」と表現されているモノですが、その金額は国民一人当たり約182万円になるというのです。そんな資産を自分が持っているとは思えないという意見もありそうですが、実は家の中にあるもの、目の前のものにはそれだけの価値があるということ。まずは182万円と言われる「持ちモノ資産」について、詳しく解説していきます。 【マンガ】メルカリで、利益がほとんどでない「300円出品」をする人の理由
「持ちモノ資産」とは
メルカリが公表した「持ちモノ資産」は、こう定義されています。『使用・未使用を問わず家庭内で保有しているモノの保有数量調査および「メルカリ」の平均取引価格により個人の持ちモノを金額換算した数』。つまり、家の中に眠っているものを全部メルカリで売ったらいくらになるかという数値です。 今年の発表では、その金額が国民一人当たり約182万円になりました。ちなみに、日本全国でみると推計約216兆3925億円です。正直、金額が大きすぎて、よくわからない……と思ってしまいました。 調査対象となった「モノ」は、下記の5分類、計36カテゴリーに該当する所有物の個数を調査したものです。 服飾雑貨……トップス、ボトムス、靴、時計、バッグなど計12カテゴリー 書籍・音楽・ゲーム……書籍・コミック、CD、ゲームソフトなど計5カテゴリー 美容・健康……メイク・スキンケア用品、香水、ダイエット用品など計4カテゴリー 趣味(ホビー・レジャー)……おもちゃ、アウトドア用品、車など計8カテゴリー 家具・家電・雑貨……PC、スマートフォン、家具など計7カテゴリー
「かくれ資産」から「持ちモノ資産」へ
メルカリはこれまで、家の中に眠っているモノを「かくれ資産」としていました。気づいていない資産という意味合いです。「かくれ資産」は、「1年以上使用しておらず、理由なく家庭内に保管しているモノを不要品とし、不要品保管数量調査および「メルカリ」の平均取引価格により不要品を金額換算した数値」と定義されていました。かくれ資産の場合は、「1年以上使用していないこと」が条件となっています。 2023年の発表の時点での国民一人当たりの「かくれ資産」は平均で約53万円です。 2024年に発表された「持ちモノ資産」には、時間的な軸は取り払われています。「家庭内で保有しているモノ」なので、極端にいえば昨日買ったモノでも「持ちモノ資産」になるということです。 この背景にあるのは、自分の持ちものを資産と考えているZ世代の存在があります。メルカリが行った調査ではZ世代の半数以上が「自分の持ち物は現金化しやすい」と思っているのです。ほしいものがあったら、自分の持っているものをメルカリで売ってお金を作る、そういった発想です。さらにモノを買う時も、いつか売ることが前提になっています。そのため、より売りやすいものを買う、買った後も売りやすい状態をできるだけ保つようにするのでしょう。 参考:「世代別の消費行動と資産認識」に関する調査 メルカリを利用するZ世代は、消費に対しても思いのほか前向きなのかもしれません。ほしいものを我慢することなく買う。そのお金は自分の持っているものを売ることで作るというサイクルがうまくできあがっています。ただ、このような考えは、何もZ世代だけの特権ではありません。メルカリを利用することで、誰もが同じ発想になれると筆者は思います。消費者として物価高の中を生き抜く必要がありますし、一方ではメリハリのある買い物をするという、今の時代にあった買い物やモノの売り方が進んでいます。