駒大・篠原、山川、創価大・吉田響…全日本大学駅伝で大活躍したランナーたちの伊勢路の快走劇と箱根への思い
■ 7区のエース対決を制した駒大の主将 出雲駅伝は國學院大・平林清澄(4年)と駒大・篠原倖太朗(4年)のアンカー勝負になった。“主将&エース”同士の対決に篠原は敗北。区間タイムは平林に36秒差をつけられて、青学大・太田蒼生(4年)と同記録の区間3位だった。 篠原にとって“悪夢”となった出雲駅伝から約3週間後、今度はハーフマラソンの学生日本人最高記録保持者が意地を見せた。 当初は2区篠原、7区桑田駿介(1年)の予定だったが、大八木弘明総監督が桑田の状態を不安視。当事者同士の相談となり、「自分を平林に当ててほしい」と篠原が志願するかたちで7区に入った。 「全日本7区は田澤廉さん、鈴木芽吹さんが走ってきた区間。自分が2区というのは劣等感もあったんです」 駒大のエースとして篠原は7区での勝負を熱望した。そして快走を見せる。 トップ青学大と2分43秒の4位でスタート。当初の設定タイムは「51分10秒」だったが、追い風を受けて、10kmを28分18秒で突っ込んだ。 「出雲のやり返しというよりは、自分の走りに集中しました。前を詰めるしかないので、最低限、メダル圏内に押し込む込むことを意識しましたね。追い風が吹いていたので田澤さんの区間記録(49分38秒)を狙えるかなと思ったんですけど、10km通過時でちょっと厳しいなと感じたので、自分のペースにチェンジしました」 創価大を抜いて3位に浮上した後は見えないライバルを必死で追いかけた。國學院大・平林と青学大・太田だ。 ふたりに大きく近づくことはできなかったが、競り合って進んだ太田と平林のタイムを10秒上回る49分57で区間賞に輝いた。 それでも本人は、「前ふたりとさほど差がつかなかった。それはちょっと悔しいですし、及第点かなと思います」と満足はしていない。今後は11月23日の八王子ロングディスタンス10000mで学生日本人最高記録(27分21秒52)の更新を目指して、最後の箱根駅伝に向かう。 「箱根は2区を意識しています。平林とは1勝1敗なので、どっちが強いか決めたいですね」と篠原。駒大のエース&主将として、最終決戦では國學院大の「3冠」を食い止め、チームを総合Vに導く覚悟だ。