MotoGP日本人ライダーの戦い【第10戦イギリスGP】ポールポジションの小椋藍、決勝レースで14位の理由は
MotoGP中上貴晶、決勝レースでは大きな変更で改善にトライ
MotoGPクラスで苦戦を続けるホンダは、イギリスGPでも大きなアップデートを投入しなかった。このため、中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)も苦しい戦いになるだろうことは予想していた。 土曜日のスプリントレースでは17位。決勝レースでは16番手でゴールし、前のライダーが結果に16秒加算のペナルティを受けたため、最終結果は15位となった。 中上は、土曜日の時点でかなりの苦戦を強いられていた。特に苦戦したのは、得意とする高速コーナーだったという。 「減速区間や高速コーナーでのバイクのフィードバックがかなり悪い。極端に言うと、コーナーのエントリーからすごく減速しないと、エイペックスに向かうことができないんです。それに、高速コーナーでのコーナリングのボトムスピードが遅いです」 こうした状況を踏まえ、日曜日にはマシンに大きな変更を加えた。「今までやらないような大きなところ」に着手、改善を試みたという。 「今日はセットアップをかなり変えて、よりフロント荷重になるようにしました。金曜や土曜のベースで走るくらいなら、違うことをしたほうがいい。例えそれが外れたとしてもトライしたほうが次につながると思ったので」 現在、ホンダはファクトリーチームとサテライトチームの4名のライダーによって、異なるエンジン仕様(といっても、新しいエンジンという意味ではない)や空力デバイスの仕様を使用するなどしているのだという。レースウイークの時間までも使って、この先に向けた改善を探っている状況、と言える。中上もイギリスGPでは、HRCの要望により他の3名とは異なるアプローチをしていたということだ。 「今は、4台でいろいろなベストなスペックを探っています。僕も違うスペックで今週は走っていました。でも、まだ解決には至っていません。次戦までに4台のデータを解析してもらって、オーストリアでは少しでもいい状態で走りたいと思っています」 なお、待たれるホンダの「大きなアップデート」は、中上の話によれば、アラゴンGPあるいはサンマリノGPで予定されているということだ。