「ハンドル、ペダルなし」の小型自動運転バス、名古屋市で走行 愛知・大村知事が実証計画を発表
愛知県の大村秀章知事は7日、県庁で定例記者会見に臨んだ。県と民間で2016年度から取り組んでいる自動運転の実証実験について、今年度の事業内容を発表。新たに「都心モデル」として名古屋市内の公道で約3カ月間、ハンドルなどのない自動運転車を一般車両に混ぜて走らせる計画を示した。 【動画】「ハンドル、ペダルなし」の小型自動運転バス、名古屋市で走行 愛知・大村知事が実証計画を発表
ゲーム機のコントローラーを使用する車両
愛知県の実証実験は「自動運転社会実装プロジェクト推進事業」として、これまで県内の施設や離島、郊外の住宅団地などの中で行われてきた。 今年度は、常滑市の中部国際空港島、長久手市のモリコロパーク(愛・地球博記念公園)での実験を継続するほか、新たに名古屋市の鶴舞地区を加え、3地域で実施。 詳細なスケジュールは未定だが、まずは「都心モデル」と位置付ける名古屋・鶴舞での実験を今年8月ごろに始めることを目指す。仏ナビヤ(NAVYA)社製の自動運転用電気自動車1台を約3カ月間、一般車両の走る幹線道路を含むルートで運行させ、自動走行に関する知見を蓄積。将来的には、名古屋駅と鶴舞を自動運転車で結ぶサービスにつなげたいという。 大村知事は「(名古屋で走らせるのは)ハンドルもペダルもなく、ゲーム機のコントローラーを使用する車両。見たこともないもので楽しみにしている。まだ警察などとの調整が必要だが、これだけの大きな通りを長期間走らせるのは全国でも初めての取り組みになる」と話した。
ワクチン予約キャンセル「思ったより少ない」
新型コロナウイルスのワクチン接種については、6日から名古屋空港ターミナルビルの大規模会場で歯科医師による接種も始まったことを報告。「打ち手」が増えたことでさらに7日から対象者を1000人規模から2000人規模へと拡大する。大村知事は「どんどん接種を進めていきたい」と述べた。 県の2カ所の大規模会場である名古屋空港と藤田医科大では、予約のキャンセルが1%程度にとどまっている。大村知事は「もっとキャンセルが出るかと思ったが、非常に少ない。それだけ早く打ちたいという人が多い」と分析。なお、キャンセルによる追加接種を週末に1日100人前後が受けており、内訳は看護学生や教員、警察・消防職員などが多いという。 県内の新型コロナの新規感染者は6月に入り300人台から100人台へと減少しているが、入院者は900人台、重症者は80人台と高い水準が続いている。 大村知事は「新規陽性者がさらに減少していけば、入院者数も減っていく。引き続きこの減少傾向を維持できるよう、緊急事態宣言における措置をしっかりやっていきたい」と述べた。 (関口威人/nameken)