ドラレコは何を買うのがおすすめ? 選び方と注意点をカーAV評論家がタイプ別に解説【2024年版】
現在、多くのクルマに装備されているドライブレコーダーだが、あおり運転、車上荒らしや車両盗難への対策として、買い替えを検討している人もいるのではないだろうか? そこで、カーAVに詳しい自動車ジャーナリストの会田肇氏に、ドライブレコーダー選びのポイントを解説してもらった。 【写真】主流のドライブレコーダー5タイプの違いを画像で確認!
最新型=正解に非ず! バッテリー対策が大切
もともとは業務用途で誕生したドライブレコーダーだが、今や多くの一般ドライバーがマイカーに装備するようになっている。その理由は社会問題化している“あおり運転”や、車上荒らし、車両盗難といった状況への対策として活用する人が増えているからだ。もちろん、ドライブレコーダーを装備したからといって、その状況を完全に回避できるわけではないが、少しでも抑止力につながれば……というドライバーの切実な想いが普及に拍車をかけているのは間違いない。 ただ、こうしたドライブレコーダーの運用には注意すべき点がある。例えば、クルマの走行中は特に大きな問題はないが、駐車監視等でエンジンを停止させている時のバッテリー管理には十分注意が必要だ。 また、ドライブレコーダーの駐車監視機能にはバッテリーに負荷をかけないよう、一定時間で自動的に機能を切ったり、電圧の低下を検知して機能を切断する技術も搭載されている。この機能がないモデルの場合、いざという時にエンジンを起動できないことがあるので注意したい。他にも意外に気付かないのが、車両にドライブレコーダー機能が標準装備されている場合だ。最近の新車には上記の切断機能だけでなく、外部からのリモート機能を含む通信機能が搭載されることが増えてきており、これが想像以上にバッテリーに負荷をかけているのだ。駆動用バッテリーを搭載したEVなどもその例外ではなく、補機バッテリーには一定の気遣いが必要であることは知っておきたい。
最近のドライブレコーダー選びは、何に注意すべき?
また、よくある質問に「安価なドライブレコーダーは大丈夫か?」というのがある。あくまで私の経験した範囲での話だが、数年前は確かに粗悪品が多く、前方カメラは普通に使えても、組み合わせる後方カメラの解像度がかなり低いということもあった。しかし、今となってはそういった事例はほとんどなくなってきている。 ただ、取り付けが吸盤であったり(これで取り付けると吸盤内の空気が膨張して外れることが多い)、取り付けるステーが汎用品で妙に大型だったりする機種は選ばない方がいい。それと意外に危険なのがホームセンターで販売されている極端な低額製品で、これはまれに衝撃を受けた際に通常記録を始めることがある。画質についても古い機種を在庫として販売している事例もあり、個人的にはいざという時の記録のためにも一定の負担はすべきだと思っている。その意味で有名メーカーのブランドは、安心して使うための投資と考えるべきだろう。 では、ドライブレコーダーの解像度はどのぐらいが適切なのだろうか。まず、前提として話しておきたいことは、「解像度」と「画質」は違うということだ。解像度は映像の鮮明さを測るものであって、画質は色合いや映像の階調などその表現力を指す。言い換えれば解像度だけを高くしても映像として優れたものにはならないのだ。 つまり、闇雲に解像度だけを上げる方向性は、データサイズだけを大きくするだけでドライブレコーダーとして適切では決してないと思うのだ。それを踏まえた上であえて断言すれば、解像度はドライブレコーダーに4Kまでは不要で、1920×1080ドットのフルハイビジョンで十分。これで前後共に車両ナンバー確認は間違いなくできる。ここに無理なく優れた表現力が加われば、ドライブの想い出記録としても十分に役立つ。 要は使いやすいデータサイズで優れた映像再現性を持つドライブレコーダーが理想的。とはいえ、それをどうやって選ぶのか。一つは経験豊富なショップの意見を聞くこと。さらにはネット上のレポートや組み込みを正しく読み取る能力を身につけることだ。これを元に絞り込めば、機種選びで外すことはそう多くはないと思う。 それではここから先は「前後2カメラ」、「フロント1カメラ型」、「ミラー型」、「360度カメラ型」、「2カメラ一体型」の5つのタイプ別に特徴を解説していこう。