世界では水産業が成長産業なのに「海水温上昇」で日本の周りだけ魚が獲れないなぜ
次に「海水温上昇」と漁業への影響の説明です。気象庁の図は世界の海の海水温の変化を示しています。よく、海水温が3度上がった、5度上がったなどと聞くことがありますが、それは表面の海水温の変化のことです。 日本の海が含まれる海水温の変化は、海面の水温でも図の通り、100年で0.6度の上昇となっています。つまり100年で1度未満という、ゆっくりとしたペースで海水温は上昇しているのです。言うまでもなく、日本の海の周りだけ海水温が上昇しているわけではありません。
しかしながら、なぜ日本の周りだけ魚が減っていくのか。その違いが資源管理の違いなのです。「日本と外国は違う」といったことではまったくないのです。 筆者には、拙稿やYouTubeをご覧になったマスコミ関係者をはじめ、さまざまな分野の方からの問い合わせが増えています。 このままでは、資源管理に有効な手段がまだ取られていないので、魚が減っていく社会問題はさらに深刻になっていきます。
片野 歩 :Fisk Japan CEO