「また明日ね」まるで手を振っているような動物園のパンダと飼育員さんの記録
また明日ね
「また明日ね」と手を振っているようなタンタン。これは、どういった状況で撮られたのでしょうか。「トレーニングに使うリンゴを切って部屋に戻ると、バーを持っていたので、撮影しておこうとカメラを向けると、タイミングよく前あしを持ち替えて、あのポーズになりました。なかなか見たことがないポーズだったので、まだ下ろさないで~!と思いながら、あわててシャッターを切りました」と、梅元さん。 観覧中止が続いていたこの頃も、お薬を飲み、健診とトレーニングをキッチリとこなし、いつもと同じように過ごしていました。この日はいつもお世話をしてくれる梅元さんに、帰りのあいさつをしてみたかったのかもと思うと、なんだかグッときちゃいますね。
カメラ目線のお嬢様
お嬢様のカメラ目線が伝えられたのは、連載76回目(https://gendai.media/articles/-/95155)。飼育員さんならではの1枚ですね。「いつも脚立(きゃたつ)を登る音で気が付くみたいで、あんな感じに結構目が合います」と笑う梅元さん。お隣のコウコウのお部屋から、脚立を使って写真を撮ったり、健康観察をしたりしているのですが、すぐに気づかれてしまうのだそう。 「あの時も同じように撮影に行き、脚立を登って行くと、すでにこちらに気が付いていました。タンタンに限らず、ジャイアントパンダは聴覚が良いので、音にはかなり敏感ですね」と、話します。大好きな人の足音を聞き逃すはずがないですよね、お嬢様。 シャッターチャンスを逃さないように、常にカメラを携帯しているという梅元さん。使用しているカメラは、前年に動物園が備品として購入したもので、もう一人の飼育員・吉田憲一さんと共用だそうです。使い勝手に関しては「普通です」とのこと。 梅元さんに、撮影の際に気をつけていることをうかがうと「みなさんはタンタンの日常を見たいと思うので、なるべく日常の風景を撮るように意識しています。あとはその中でもタンタンが可愛く写るように、表情や構図を自分なりに意識して撮影し、その中から厳選して出すようにしています」と話してくれました。 機材は普通でも常にカメラを持っていることによって、決定的な一瞬を逃しません。飼育員さんならではの、至近距離や目線があっている写真は、タンタンのかわいらしさを余すことなく伝えてくれるのです。