iPhoneが一新:これがアップル社の新スタンダード【7000字レポート】
デジタルカメラに負けない操作性と機能
iPhone最新モデルのカメラとしての使い心地を大幅に向上させているのが、カメラコントロール⎯⎯iPhoneを縦に構えても、横に構えても自然に指がくる場所にあるタッチセンサーのことだ。ここを押すとiPhoneがすぐに写真(またはビデオ)を撮れる状態に切り替わる。その状態で、もう1度センサーを押して左右に指をスライドさせるとズーム、露出、被写界深度などのカメラ設定が切り替えができる、本物のデジタルカメラ顔負けの操作性を実現している。 デジカメ顔負けなのは操作だけではない。iPhone 16のカメラは本体の側面に沿って横並びになるように配置が変わったが、これはアップルが「空間ビデオ」または「空間写真」と呼ぶ立体映像や立体写真を撮るため。話題のApple Vision Proでそれらの写真を見ると目で見たそのままの光景が蘇る。 カメラの画素数はこれまで通り。でも、標準の撮影や、高解像度で2倍ズーム撮影する機能に加え、新たに接写撮影の機能が搭載されたため、撮れる写真のバリエーションが大きく広がっている。 また変わったところでは、撮影したビデオの音を加工する「Audio Mix」という機能も用意されている。音がどっちの方向から聞こえてくるかまで記録しておき、カメラに写っている範囲の音だけを強調したり、写っていないところから聞こえてくる音を残したりとビデオで伝えたい内容によって音を後から加工できる。
機能がさらに進化したProシリーズ、価格は据え置き
5倍ズームレンズや映画作りにも使える本格的な撮影機能を備えたiPhone 16 ProとPro Maxも大きく生まれ変わった(なお、標準サイズのiPhone 16 Proのカメラでも、これまでできなかった5倍ズーム撮影ができるようになっている)。 Proシリーズでは、ブラックチタニウム、ナチュラルチタニウム、ホワイトチタニウムに新色のデザートチタニウムを加えた、高級感を感じさせる控えめな色合いの4つのカラーをラインナップ。軽く頑丈なチタニウムボディを活かして画面をさらに大型化し、4K画質で毎秒通常の4倍近い120フレームで映画などに使われるDolby Visionという明暗差の激しい光景を撮影するための規格の映像を撮影できる(映像をスローモーション再生する機能も追加されている)。 さらに、プロカメラマンがiPhoneで撮影した写真でも自分らしい独特の色合いでの撮影ができるようにフォトグラフスタイルという設定が用意されている。同様の設定はiPhone 16にもあるが、Proモデルの方がより細かく色合いをカスタマイズできる。Proモデルでは、それ以外にもプロレベルの本格的な撮影をするための機能や技術が満載だ。 これだけ大きな進化を果たしながら、価格は昨年までのモデルと同じでiPhone 16は12万4800円から、iPhone 16 Plusは13万9800円から、iPhone 16 Proは15万9800円から、iPhone 16 Pro Maxは18万9800円からとなっている(いずれも税込)。