iPhoneが一新:これがアップル社の新スタンダード【7000字レポート】
新技術「Apple Intelligence」はなんで大事?
では、Apple Intelligenceではどんなことができるのか。実は日本では、まだしばらく利用できない。アップル社はこの技術が日本に対応するのは来年と発表している。もっとも米国でも最初から完成形で出てくるわけではなく、徐々にできることが増える形で提供予定だ。 初期のApple Intelligenceでできる主なことは、以下の通り。 ・ページに表示された文章の要約 ・過去に撮った写真を言葉で指示して探し出す ・グループメールでのやり取りの要約 ・通知を緊急性の高い順に優先的に表示 ・こんな絵文字が欲しいと言葉で説明すると、その絵文字を作ってくれるGenmoji機能(アップル製品同士であればメッセージやメールで使える。他社製品では言葉の説明が表示される) 生成AIは、よく平気で嘘の情報を生成するなどと言われるが、アップルは責任あるブランドとして、まずはそうした間違いが起きにくい使い方から機能として提供を始めている。 横についたボタンを押してSiriを呼び出すと、画面全体がカラフルな光に包まれ、ユーザーからの頼み事を聞く状態になるので、この状態で声で頼み事を話しかけたり、文字で打ち込んで利用することができる。このSiriの機能などを入り口にしつつも、餅は餅屋で例えば他社が作っているChatGPTなど他のAIサービスなどとも連携して、ユーザーをアシストするのがApple Intelligenceの特徴だ。 面白いのは、年末に提供予定の「ビジュアルインテリジェンス」という機能だ。カメラを向けた先にある被写体についていろいろ教えてくれる。例えばお店の看板を写して評判を調べたり、動植物にカメラを向けて種類を調べたり、勉強のノートにカメラを向けてその内容について詳しく教えてくれる、といった具合だ。 将来的には、Siriに「子どものお迎えの前にミーティングを入れたい」といった相談をすると、移動時間やその時間の渋滞情報を考慮してミーティングを何時に終了させるべきか教えてくれるなど、より複雑な相談にも乗ってくれるようになる。こうしたことができるのは技術が凄いだけではなく、アップルが徹底してプライバシーに配慮してiPhoneの外に漏れない設計にしていることも大きい。そうでなければ子どもの迎えの時間などの情報は安心して預けられない。 わざわざアプリを起動しなくても色々な情報を調べたり、整理させたり、ユーザーに代わって代行してくれるようになるので、来年後半以降のiPhoneの使い方はアプリよりもApple Intelligentの利用が増えてくるはずだ。それだけに旧モデルよりも最新モデルを選ぶことが重要なのだ。 日本ではこの先1年弱使えないかもしれない機能に割高価格を払うことに納得がいかない人もいるだろう。でも、そんな人のためにアップルはAI以外にも魅力的な特徴を用意している。ブラック、ホワイト、ピンク、ティール、ウルトラマリンという5つの鮮やかな色合いのカラーバリエーションもその1つ。しかし、それに負けないくらい魅力的なのがカメラ機能の進化で、デジタルカメラに負けない操作性と機能を実現している。