【闘病】医者の私も症状に気づけなかった「線維筋痛症」 同僚からは仮病を疑われ…
体調不良は気のせいではなかった
編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? みおしんさん: まずは点滴治療をし、薬が効くことを実感出来たらそれを内服していくとのことでした。傾向として、発症して2年以内や若めの女性、素直な性格の人は治りやすいそうです。 編集部: そのときの心境について教えてください。 みおしんさん: 体調不良が気のせいではなかったとわかった嬉しさと診断がついた安心感と同時に、医者として自分の線維筋痛症に気づくことができず、恥ずかしいとも思いました。でも、やっぱりホッとしたのが大きかったですね。 編集部: 実際の治療はどのようにすすめられましたか? みおしんさん: 最初の2年間は、週に1回の通院で、血流をよくする薬を処方してもらっていました。無理をしないよう生活指導を受けたことをきっかけに、働き方自体を変更する方向に舵を切りました。 現在は、内服薬は使わず、トリガーポイントへの鍼灸や整体の組み合わせで痛みをコントロールしています。 自宅では、鼻うがいやマインドフルネス呼吸をとり入れて症状を改善させていますが、慢性上咽頭炎の症状がひどいときには、耳鼻科でBスポット療法(EAT療法)を受けるときもあります。 また、自宅で痛みをコントロールすることができる医療機器エイトも活用しています。 編集部: 治療や闘病生活の中で、何か印象的なエピソードなどあれば教えてください。 みおしんさん: 職場で「線維筋痛症の治療に専念したいので定時で帰れるようにしてもらえないか」とお願いしたら、逆に仕事を増やされ、残業も増えてますます消耗してしまったことです。 「誤診じゃないの?」とも疑われ、痛みの専門医である麻酔科医の中にも、慢性疼痛に興味の無い人がいることに衝撃を受けました。「選ぶ職業を間違えた……」と後悔した時期もあります。 編集部: 診断後の生活について教えてください。 みおしんさん: 診断がついたことで「自分の辛さは甘えや気のせいではなかった。健康な人達と同じペースで生きなくていいんだ」と気づいて心が軽くなりました。 やがて、麻酔科専門医の資格を取ってから病院を退職し、自分が本当にやりたい活動にシフトしようと人生プランが固まり、そこからは楽しくて仕方がなかったです。 編集部: 自分のやりたい活動とは? みおしんさん: 自分が患者として経験してきたことと、医者として感じたり学んだりしたことの発信です。 どうやってアウトプットしていくか考えていたときに落合陽一さんのメディアアートという概念を知り、「Entertainment. It’s Everything!」や「みんなを生きるな、自分を生きよう。」という言葉に惹かれてデジタルハリウッド大学院への入学を決めました。 デジタルコミュニケーションや現実科学、ビジネスプランニング、社会課題解決授業など幅広いジャンルを学び、そこで得たヒントを、自分が運営しているホームページ(プロフィール参照)に凝縮して活かしました。 編集部: 現在の体調や生活はどうですか? みおしんさん: 「通勤」で体調が悪くなるので、麻酔業務は週1回に減らし、在宅で週1回、患者さん向けのオンライン講座を開設しました。ずっとやりたかった、患者さんと医療機関のコミュニケーションを円滑にするための診療補助サービスです。 発信活動と大学院が忙しくて大変ですが、自分のやりたいことをやっているので、身体は辛くても大丈夫です。