【被災地の産婦人科医療】現地の医師が訴え「このまま突っ走っていくと崩壊する」 不妊治療をためらう女性も・・・ おかえりコメンテーターの藤田医師が見た被災地【能登半島地震】
より精密なMRI検査が必要ですが、女性は七尾市の自宅が被災し、車で1時間ほどかかるかほく市のアパートに身を寄せています。移動の負担を考え、通常別の日になることが多いMRIをこの日のうちに済ませることになりました。その結果、着床を妨げる可能性がある場所に筋腫を確認。藤田医師は不妊治療を成功させるためにも、筋腫を取る手術を提案しました。 (藤田医師)「赤ちゃんがちゃんと子宮の中で育ちやすい空間を作ってあげるというのは、ちょっと遠回りに見えてもいちばんの近道かもしれない。数か月、不妊治療をお休みの時間続くけど大丈夫かな?」 (女性)「大丈夫です。不妊治療も結構辛くて心折れそうで」 (藤田医師)「そうかそうか、でも今までの頑張りは絶対無駄じゃないからね」 女性は震災から1ヵ月も経たない中での受診を迷っていたといいます。 (女性)「もっと本当に来なくちゃ行けない人のために、先生の大事な時間を割いてはいけないと思っていたので・・・。藤田先生、すごく気持ちに寄り添ってお話して下さったので。震災と言うだけでもすごく不安だったので、さらに不妊治療もずっと不安な中やっていたので、きょうお話を聞いて頂けるだけですごくありがたかったです。」 この日「震災後、初めて泣くことができた」と話してくれました。 (藤田医師)「不妊治療の人は、1周期1周期が勝負だから。それが震災で通院できない期間があったりとかしたら気持ちもさらにね。不妊治療の方は1周期も無駄にしないように詰めて診てあげられたらいいのかなというのはありますね」
39週を迎えた40代で初産の女性
40代での初産に臨む、能登町の妊婦さんは妊娠39週を迎え、前日から陣痛を誘発する処置を始めていました。しかし・・・。 (藤田医師)「しんどい?ちょっと赤ちゃんがしんどいサイン出てたから、水分しっかり取っといて下さい。何かあったら呼んでね」 (記者)「どういう状況ですか?」 (藤田医師)「赤ちゃんがちょっと苦しい状態。心拍が。苦しいサインが出てきたから、いま陣痛を促す薬=オキシトシンを止めてもらいました」 陣痛を促す薬を中止し赤ちゃんの状態を見ながら自然な陣痛を待つか、帝王切開を検討するか、判断することになりました