「エースを犠牲にする覚悟はあるか」米国で再燃する大谷翔平の”打者専念”への議論 ”二刀流継続”の主張も「マウンドに別れを告げるのはまだはやい」
ドジャースの大谷翔平が打者専念のシーズンを送り、リーグトップクラスの打撃成績を残していることで、現在も「二刀流継続」へのさまざまな意見が飛び交っている。今月に入り、米有名アナリストのブライアン・ケニー氏が、来季以降も打者のみでプレーすべきと主張したことが報じられた。ケニー氏は大谷の身体への負担や、今季の好調を維持する打撃内容を踏まえ、投打両方でのプレーを続けるべきではないなどと語ったという。 【動画】大谷翔平の“命を救った”ビッグプレーとは?現地も称賛したシーン だが、この主張に対する反響も米国メディアより伝えられている。現地時間7月4日、スポーツサイト『EssentiallySports』でこのケニー氏の持論を取り上げており、「ブライアン・ケニーはオオタニのポジションプレーヤーへの永久的な転向を求め、怪我の問題を見過ごすことはできなかった」と綴っている。 だが同メディアは、「しかし、オオタニの投球がドジャースにどれほどの影響を与えるかを理解することは重要である」と説いており、投打同時出場を続けた昨年までの3シーズンの投球スタッツに言及。「2021年から2023年まで毎シーズン130イニング以上を投げ、このスターは一貫して防御率3.20未満を維持し、2022年にはサイ・ヤング賞の最終候補にわずかに届かなかった(4位だった)。さらに重要なのは、それらの年の彼の投球WAA(平均的な選手と比較したときの貢献度で選手の価値を定義する統計的指標)は2.9、4.8、2.7だったことだ」と振り返った。 スターターとしての貢献度の高さを説明しながら、「オオタニを投手から外したいのであれば、彼のその活躍を他の選手で補うようにする必要がある」と指摘。その上で、今季の打撃成績にも触れるとともに、「ドジャースは、打者・オオタニのために、投手・オオタニのようなエースを犠牲にする覚悟があるのだろうか?その質問に答えるのは難しい」と訴えている。 加えて同メディアは、「しかし、オオタニが投球練習を続けていることから、彼が近いうちに投手に復帰することに興奮しているのはわかる。リスクがあろうがなかろうが、ショウヘイ・オオタニがマウンドに別れを告げるのはまだ早い」と見通している。 二刀流による怪我への懸念や、バッティングの驚異的なパフォーマンスが、打者専念についての議論を呼び起こすこととなっている。だが、やはりマウンドでの活躍を求める声も少なくないため、引き続き「二刀流スター」については、あらゆる論調が交わされていくことも間違いないだろう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]