阪急阪神HDの会長再任を救ったのは「タイガースファン」説 今年は宝塚問題で「賛成率57%」とギリギリセーフ
今2025年3月期の営業利益は1058億円と横ばいの見通し。だがこれは、タイガース優勝の特需がないという前提の数字だ。しかも私鉄大手は、期初に慎重な計画を出す傾向がある。鉄道やホテル事業が堅調なことを考えると、今期の収益が上振れる可能性は十分にある。 大型再開発プロジェクトも着々と進んでいる。グループ会社が事業者として参画する「うめきた2期地区開発事業(グラングリーン大阪)」(大阪市北区)は、今年9月の先行街開き、2027年度の全体開業を計画する。「芝田1丁目計画」(大阪市北区)では、阪急三番街や大阪新阪急ホテル、阪急ターミナルビルの全面改装について、「竣工時期などは未定だが(全面改装は)構想にあり、目下検討中」(IR担当者)とする。
賛成率とともに開示された2024年3月期の有価証券報告書。そこでは優先的に対処すべき課題として、「宝塚歌劇団に対するガバナンス機能の強化」などを掲げた。昨年の有価証券報告書にはなかった記述だ。 業績は良好ながらも角会長を含めた経営陣がこの先どのような動きを見せるのか。多くの株主が見守っている。
梅咲 恵司 :東洋経済 記者