育児関与は「2%」――戦力外だった古坂大魔王、育休で到達した「能動的」子育て
普及しているようでしていない、日本における男性の育児休暇。「男性版産休」制度が来年秋に施行される予定だが、実際に取得する男性は女性に比べてはるかに少ないのが現実だ。昨年秋、第2子を授かったお笑い芸人の古坂大魔王は、約2週間の育休を宣言した。「サポート」ではなく、「能動的な育児」を目指したという古坂が、そこから発見したこととは。取材は、世界レベルの本格スタジオを備えた古坂の新居で行った。(取材・文:山野井春絵/撮影:殿村誠士/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
第1子誕生時、育児への関わりは「2%」
「男が育休を取るって、芸人としてはかなり珍しいでしょ。だから取ってみるのも面白いかなと思って」 そう語るのは、お笑い芸人の古坂大魔王。昨年秋、47歳で第2子の女児に恵まれた際、育休を取得したことが話題になった。2018年には長女が誕生している。 「長女が生まれた頃って、“ピコ太郎”と一緒にほぼ毎週末海外へ行ってる頃で、かなりハードスケジュールだったんですよね。そんな中でも、自分なりに育児頑張ったつもりだったんですよ。で、ある日『俺、何%くらい育児やってるかな?』って聞いてみたら、『2%』って言われたんです。ええ?って。でも今考えてみれば、確かにそう。いや、2%もやってなかったかも。じゃあこれ、2人目はきちんとやってみたらどうなるんだろう?という好奇心が生まれて」 育休期間は、約2週間。数々のレギュラー番組を抱え、楽曲制作にも精力的に取り組む古坂だが、その間はどの仕事も休み、育児に専念すると決めていた。昨年10月、番組内でそう宣言すると、ネットにはさまざまな意見が上がった。
「賛否の、『否』の意見が、ガンガン入ってきました。『2週間で何ができるの?』『子どもが1人家に増えるだけ。夫は家にいないほうがいい』とか。やると決めたからには、そういった意見はとりあえず気にせず、はねのけるくらいに頑張ろうと」 そもそも、男女の育児が当たり前になることが理想だと古坂は言う。 「でも現実、壁はあるわけで。みんなが育休とってないなら、今のうち俺がやっちゃおうぜっていう。意識高い系の芸人ですからね(笑)。だけど実は、明石家さんまさんはIMALUさんが生まれた時、半年くらい仕事をセーブしてたらしいんです。発表していないだけで、『俺、とっくに育休やっとったわ』って。ビックリですよね。こうして取材していただいたりして、ニュースに取り上げてもらったことも、結局プラスだったなっていう。まあ僕たち芸人は、知ってもらうためにアピールしてなんぼですからね(笑)」