「母子家庭の私のほうが恵まれてると絶句」児童養護施設のクリスマス会の苦い思い出「当たり前の日常がない子たちにせめてご飯だけでもと」
この話を聞いて、それを勧めた病院に憤りを感じました。だって、45歳や50歳の子宮に卵子が着床できるほどの厚みはないはず。それなのに、しんどい思いをして卵子を採取し凍結して、年間10万円ほど保管料を支払う女性たちがいる…。女性たちには、実情をしっかりと自分から調べにいって、正しい知識をちゃんと持ってほしいです。 そのうえで、私の目標というよりも、必ず叶えると決めているミッションは、一人でも多くの人に、寄付に関心を持ってもらえるようにすること。日本の場合、子どもたちへの寄付というと、古着を施設に送る人が多いんです。「うちの子はもう着ないから施設の子どもたちに」って。一方で、寄付文化が浸透している欧米では、ホームレスの方々に寄付をするというと、みんなネットショップで上着を買って、新品のまま支援団体に送ることを当たり前のようにしています。
少しでも日本で寄付の意識がよりよい方向へ変わるといいなと思っています。といっても私一人で変えることは無理なので、いろんな人たちが協力しながら変えられるように、まずは里親の啓発とドコデモこども食堂の活動をしながら、一つひとつを丁寧に頑張って進めていきたいです。 PROFILE 岩朝しのぶさん いわさ・しのぶ。1973年、宮城県生まれ。先天性の病気によりこれまで17回の手術を経験し、シングルマザーの母親に支えられ幼少期を過ごす。25歳で起業後、広告代理店業の代表に就任。不妊治療を経て養育里親となり、現在も現役里親として子どもを養育している。認定NPO法人日本こども支援協会 代表理事 一般社団法人明日へのチカラの代表理事 「ドコデモこども食堂」代表。
取材・文/高梨真紀 写真提供/岩朝しのぶ
高梨真紀