話題を集めた横浜・上永谷のリュウゼツラン 跡地を訪問してみた!
【話題の現場 突撃ルポ】#28 神奈川県横浜市港南区上永谷は環状2号線が通る住宅地。横浜市営地下鉄の上永谷駅を出てほどなくして見えてくる「上永谷駅入口交差点」の横断歩道沿いの中央分離帯には、8月29日まで「数十年に1度だけ開花する幻の花」として知られる「リュウゼツラン」がそびえ立っており、高さ8.5メートルにおよぶその姿を「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)が連日にわたって報道。大きな注目が集まっていた。 【写真】茎の上部まで開花したリュウゼツラン(8月3日撮影) だが、その後、リュウゼツランは台風10号によって倒れる恐れがあったために伐採され、現地には今、存在していないそうだ。注目を集めた現場はどうなっているのか。本紙記者が「跡地」を取材した。 ■影も形もない……と思いきや、パイナップル型の切り株が リュウゼツランが存在していたのは上永谷の環状2号線の中州。伐採されたとあって、そびえたっていたリュウゼツランの姿は影も形もない……と思いきや、パイナップル型の切り株があった。高さは目測で1メートル弱だ。 中州で切り株の撮影を終え、道路を挟んですぐ隣のマンションを訪問。応対してくれた管理人から話を聞くと、しかめっ面でこう答えた。 「ワイドショーで取り上げられたこともあり、日が経つにつれギャラリーが増えていった。伐採数日前からは、正直、うるさくてしょうがなかった」 一方、伐採されたことについての感想は、「特段、ない」と断じるのだった。 「跡地」の取材を終えて次に向かったのは横浜市港南図書館。ここには伐採後のリュウゼツランの一部が標本として展示されている。 案内をしてくれたのは、図書館の鈴木裕子館長。フロアの一角に置かれていたのは直径20センチ、長さ70センチ、重さ7.8キログラムのリュウゼツランの茎の一部だ。他にも、開花したあとに成った実に加え、茎の一部の断面から染み出てきた液体が固まってできたビーズ状の物体の展示もあった。 リュウゼツランの展示を行っている理由として、「図書館では、地域でその時々に流行っている本についての情報はもちろん、それ以外の情報であっても新鮮な情報であれば常に取り上げていきたいと考えております」と語る鈴木館長。横浜市港南土木事務所の担当者がリュウゼツランを切るその瞬間を目にしたといい、「台風10号が迫り来る中、適切に処置されたと思います」と話した。展示ではリュウゼツランが伐採される際の映像も公開されており、曇り空の中、高所作業車に乗った担当者が8.5メートルまで育った茎を上から切り分けていく様子を見ることができる。 伐採直後は綺麗な緑色だったという茎の標本は現在は茶色。徐々に水分が抜けるなど劣化が進んでおり、「できるだけ長く展示したいが、いつまでもつか分からないので、展示期間は『当面の間』」と鈴木館長は明かした。取材中、リュウゼツランの展示には何人もの人が足を止め、たくさんの話題を振りまいたリュウゼツランの茎の標本や実を物珍しそうに眺めていた。 (取材・文=坂下朋永/日刊ゲンダイ) ◇ ◇ ◇ 酒の広告はどうあるべきか。それを考えさせられる出来事が、今年6月にあった。●関連記事【もっと読む】蒲田駅「京急蒲タコハイ」騒動のその後…看板は外されてもポスターや音声はそのままだった!…では、京急蒲田駅で発生したひと悶着について伝えている。