生活がどんどん便利になる!~「日本流」アマゾンの全貌
〇日本流アマゾン3~中小企業を世界へ アマゾンには地方の中小企業をサポートする仕組みがある。宮崎・高千穂町で栽培されているのは、名産品の大きくて肉厚な原木シイタケ。生産者の池田尚弘さんの元へ、干し椎茸の販売業を営む「杉本商店」の杉本和英さんが仕入れにやってきた。 70年前から代々この商売を続けてきた「杉本商店」は、全国の生協を中心に干しシイタケを販売してきた。ところが、「国内の市場は縮小しており、新しい販売先を探すなどいろいろやったのですが、年々売り上げは厳しくはなっていました」(杉本さん)。 そこで頼ったのがアマゾン。この日はアマゾンジャパンの森美洋とリモートで打ち合わせ。アマゾンは杉本さんの海外販売をサポートしているのだ。 商品を置いているのは海外のアマゾンのサイトの中にある「ジャパン・ストア」。アマゾンャパンがジェトロ(日本貿易振興機構)と組んで日本の中小企業支援のために作ったネットショップだ。 「最大のメリットはアマゾンが出荷作業を全てやってくれ、代金の回収までやってくれること。そこが一番すごいし、ものすごく助かります」(杉本さん) 杉本さんら日本の中小企業は海外に商品を送るだけ。あとはアマゾンが在庫管理から客への発送、返品対応まで代行してくれる。杉本さんの干し椎茸は海外で大好評。売り上げを大幅に増やしている。 日本流で躍進するアマゾンジャパンだが、チャンはまだまだ進化するつもりだ。 「日本のお客さまは求めるレベルが高い。テクノロジーの開発や新しい発想をすることによって、お客さまが求めることを超えるソリューションを出すのが私たちの使命だと考えます」(チャン)
商品が多い・安い・便利~急成長の影に3つの戦略
年末に開かれたアマゾンのファッション部門の忘年会にチャンの姿があった。アマゾンジャパンは社員1万2000人を超える大所帯になったが、チャンはコミュニケーションを大事にし、こうした席にも参加している。 香港出身のチャンが来日したのは1995年。当時はP&Gの社員で日本勤務となった。この時、日本では手に入りにくかった洋書が読みたくなり、アメリカのアマゾンを利用。インターネットの可能性に惹かれた。