生活がどんどん便利になる!~「日本流」アマゾンの全貌
ベゾスに「日本」を任された男~独自の工夫で世界4位に
アマゾンの日本法人のオフィスは東京・目黒の駅前にある。アマゾンジャパンでは世界中から集まった1万2000人以上の社員が働いている。 社内でちょっとおもしろいエレベーターを発見。ドアが閉まればアマゾンの段ボールになる。 「楽しむ、プレイの感覚が大事かなと思って」と語るのは、ジェフ・ベゾスも信頼をおくアマゾンジャパン社長、ジャスパー・チャン(59)だ。
「日本はアマゾンにとってとても重要な国。日本ならではのサービスが必要だと、ずっと考えています」(チャン) アマゾンジャパンの売り上げはアメリカ、ドイツ、イギリスに次いで世界4位。243億ドル、約3兆5000億円(2022年)にのぼる。その成長はチャンならではの日本独自の工夫によって生まれた。
〇日本流アマゾン1~進化した物流拠点 去年、千葉市にオープンした東京ドーム2.5個分の物流倉庫。中にはとんでもない量の商品棚が並び、ハイテク技術が駆使されている。 以前はスタッフが商品の置かれている棚まで行ってピックアップしていた。しかし今、スタッフは同じ場所で作業。棚のほうが動いてやってくるのだ。該当する商品が棚のどこに入っているか、光で教えてくれる。スタッフは「とても商品を取り出しやすい」と言う。
この倉庫では日本で独自開発した機械も活躍している。商品を入れるとセンサーが大きさや形を瞬時に識別。周りを覆っている茶色い紙がジャストサイズの袋を作り、包んでくれるという、画期的な梱包マシンだ。梱包の時間短縮に加え、配送でもメリットがあると言う。 「トラックに載る商品数が格段に増えるので、配送効率を上げ、ドライバーの負荷を減らすことができます」(アマゾンジャパン・片桐秀行)
〇日本流アマゾン2~日本だけのサービス 「アマゾンソムリエ」は、有名ソムリエが無料で相談に乗ってくれる日本だけのサービスだ。ある女性が相談メールを送信すると、ソムリエからの返信には、「予算2000円以下」で「フルーティーな赤」「甘口の白」など希望にそった6種類の商品情報が載っていた。こうして買い物をすればアマゾンポイントが貯まる。このポイント制度を導入しているのも日本だけだ。