生活がどんどん便利になる!~「日本流」アマゾンの全貌
ベゾスが創業した巨大企業~客が喜ぶサービスを次々開発
「アマゾンをシンプルに言い表すと『地球で最もお客さまを中心に考える会社』です。私たちはお客さまの声に耳を傾けます」 【動画】驚きの進化を遂げた巨大倉庫や生鮮品の倉庫、「アマゾン」のユニークな本社も大公開 2012年、『カンブリア宮殿』に出演した創業者のジェフ・ベゾスCEO(当時)はブレない信念をそう語っていた。
1994年、アメリカ・シアトルで産声を上げたアマゾン。以後、世界20以上の国と地域でECサイトを展開するなど急成長。総売り上げは5140億ドル、約75兆円にのぼる。提供するサービスも創業時から大きく変わった。 例えば「アレクサ」と呼びかけるだけでいろいろなことができるAI搭載のスマートスピーカー。調理の際のタイマーになったり、ロボット掃除機を動かしたり、テレビ電話になったりと、家事に大助かり。家庭はもちろん、高齢者施設などさまざまな場で使われている。端末の「アマゾンエコーシリーズ」には音質にこだわったタイプや車専用もあり、販売数は急増している。 アマゾンは2000年、日本で本のネット販売を開始。その後、家電や食品、アパレルなど扱う商品を拡大していった。さらにプライム会員になれば動画が見放題、音楽が聴き放題になる配信サービスまで。 こだわりの商品も増やしている。
アマゾンジャパンの社員・北島三郎がこの日、向かったのは東京・中央区の水産加工会社「築地フレッシュ丸都」。お目当ては鹿児島県産の本マグロだ。 北島は鮮魚専門のバイヤーだ。アマゾンはECサイトのただのプラットフォームではない。バイヤーが直接買いつけて、販売している商品もあるのだ。 北島の仕入れた本マグロの柵を2840円で販売するのは、「アマゾンフレッシュ」という生鮮食品などの宅配サービス。バイヤーが全国で買いつける約1万5000種類の商品が最短2時間で家まで届く。
川崎市にあるその専用倉庫では、商品が4つの温度帯で管理されていた。例えば「トロピカルルーム」と呼ばれている部屋の温度は16度。置かれているのは主に野菜や果物などだ。 「冷蔵ではないものの常温とは違う、冷やしたほうが品質の良くなる物を置いています」(アマゾンジャパン・森本義弘) 続いて0度の部屋。「マグロはおいしさや品質を保つために一度も凍らせない」と言う。魚は凍らせると細胞が壊れ、旨みが流れ出るため、凍らないギリギリの温度に保っている。 マイナス20度の「フローズンルーム」に置かれているのはアイスや冷凍食品などだ。 「それぞれの産地や品種によって保管条件や最適な温度管理が変わるので、ベストな状態の保管を徹底しています」(アマゾンジャパン・山本直幹)