「食後、眠気とだるさが尋常じゃない」更年期ではなくて、失神する可能性もある症状かも⁉【血糖値スパイク】
更年期世代の女性にとって気になるのが、食後の眠気やだるさです。 食後に倦怠感があっても、ただ疲労がたまっているから、更年期や加齢のせいだからと決めつけていませんか? 【 表 】更年期におすすめな11種類の漢方薬 このような症状の背景には思わぬ病気が隠れている危険性もあるので注意が必要。 そう話すのは、漢方製剤の研究開発を手掛けている碇純子さんです。 今回は「血糖値スパイク」に隠れた症状について、見極め方と予防法を教えていただきます。
Q. 眠気やだるさで仕事になりません。ランチ後の午後はとくにつらいです。更年期のせいでしょうか?
A 確かに、更年期は食後の眠気やだるさがあらわれる原因のひとつです。更年期由来による日中の眠気は、女性ホルモンのエストロゲンの急激な分泌低下によりホルモンバランスに変化が起こり、自律神経が乱れてしまうことにあります。 昼に眠くなったり、夜に眠れなくなったりなど、慢性的な睡眠不足に陥ることもあり、生活リズムが乱れる原因になります。 しかし、眠気やだるさが決まって「食後に起こる」という場合は、更年期以外の原因が隠れているかもしれません。
Q. 食後の眠気やだるさの原因は他に何がありますか?
A 食後の眠気やだるさの原因のひとつとして、「血糖値スパイク」があります。血糖値スパイクとは、食前・食後に血糖値が変化し、急上昇、急下降を起こす現象です。グラフ上で見るとまるでスパイク(トゲ)のように見えることから名付けられました。 急激な血糖値上昇が起こると、インスリンが過剰に分泌され、眠気やだるさを引き起こします。ひどい症状の場合は意識が朦朧とし、失神することもあります。 血糖値スパイクを放置すると悪化して糖尿病を発症する可能性もあるので、きちんとした血糖値管理が必要です。
Q.血糖値スパイクは健康診断でわかりますか?
A 血糖値スパイクの症状を抱える方は、空腹時の血糖値は正常なので、通常の健康診断ではなかなか見つかりにくいといわれています。 血液検査では、過去1~2か月の血糖値の平均をあらわす「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」という数値を測りますが、HbA1cは血糖値の変動を見極めるには不向きで、血糖値スパイクかどうかを判断するのは困難です。 精密検査には、「OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)」などが用いられます。 もし血糖値スパイクの疑いがあるなら、まずは病院の内科や糖尿病内科を受診することをおすすめします。 本記事では、更年期からくる眠気と思われやすい、血糖値スパイクについて解説しました。 ▶続きの【後編】では、血糖値スパイクを予防するためにはどうしたらよいのか、おすすめの漢方薬についてお届けします。
あんしん漢方/薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 碇 純子