交番の仮眠室で20代の部下の女性警察官への強制わいせつ致傷罪で49歳の元警察官に懲役3年6カ月の求刑 熊本県警は事件の発生や懲戒処分を公表せず
2023年に熊本県内にある交番で、当時部下だった女性警察官にわいせつな行為をし、けがをさせたとして、強制わいせつ致傷の罪に問われている元警察官の男の裁判員裁判が12月10日に結審した。検察は「計画的な犯行で卑劣かつ悪質」などとして懲役3年6カ月を求刑。一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。 【画像】検察の主張
胸や下半身を触るなどのわいせつ行為
求刑を受けたのは、元警察官の男の被告(49)。 起訴状などによると、被告は2023年2月に当時勤務していた熊本県内にある交番の仮眠室に、部下の20代の女性警察官を呼び出し、胸や下半身を触るなどわいせつな行為をして、全治約10日のけがをさせた罪に問われている。 12月9日の初公判で被告は「間違いありません」と起訴内容を認めていた。
「卑劣かつ悪質」「深く反省している」
10日の論告で、検察は「交番内にいた男性巡査に車で寝るよう指示し、被害者と2人きりになれる環境をつくるなど、犯行は計画的」と指摘。「身勝手な動機で性欲を解消しようとしたもので、卑劣かつ悪質」などとして懲役3年6カ月を求刑した。 また被害者の代理人弁護士も「被告の主張からは、現在もパワハラやセクハラに無頓着だということが感じられ、反省がみられない」と被害者の気持ちを代読した。 一方、弁護側は「被害者を押し倒すなどはしておらず、犯行の危険性は大きくない」と主張。「被告は事実を認め、深く反省している」などとして執行猶予付きの判決を求めた。 被告は「被害者やその家族、熊本県警に申し訳ない」と述べた。
熊本県警は事件や懲戒処分を公表せず
事件発生から男の処分などについて熊本県警は一切公表しておらず、その理由については「広報していない事案の回答は差し控える」としている。 また男は2023年8月付で懲戒免職となったが、このタイミングでも熊本県警は処分結果などを公表していない。この理由については「被害者保護の観点から公表を差し控えた」としている。 判決は12月16日に言い渡される予定だ。 (テレビ熊本)
テレビ熊本
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