安い電力は原子力と火力、高コストな再エネ推進では産業は空洞化し国民はますます窮乏化する
■ 中国は石炭、米国は天然ガスがなお主力 図2について補足すると、LNG火力発電のコストが高くなっているのは上述のように「CO2対策費」が含まれているためであり、本当のコストはもっと安い。 以上をまとめると、図3となる。これでも「グリーン」電力には相当に甘い数字だが、それでも、安い順番は(1)既存の原子力・火力発電所の活用、(2)原子力・火力発電所の新設、(3)再エネ、CCS、アンモニア発電などの「グリーン」電源、であることは明白だ。 海外に目を向ければ、中国は安価な石炭火力発電所が主力である。米国はこれまた安価な天然ガス火力発電が主力である。 これに対して、日本はバカ高い「グリーン」電源を「主力化する」というのが第7次エネルギー基本計画(案)で示された日本政府の方針だ。これでは産業は競争できず空洞化し、また国民はますます窮乏化する一方である。
杉山 大志