【NBA】チームバスケが機能せず苦戦するナゲッツ、アーロン・ゴードンがふくらはぎの肉離れで数週間の離脱
ピンチをチャンスに変え、選手層の問題を解決できるか
ナゲッツはここまで4勝3敗、ジャズとラプターズに連勝したことで勝ち越してはいるが、ここまで再建中のチームにしか勝てておらず、ニコラ・ヨキッチが29.6得点(リーグ5位)、12.6リバウンド(3位)、10.3アシスト(2位)と平均トリプル・ダブルという強烈なパフォーマンスを見せていながら、チームプレーが噛み合っていない。 優勝した2年前はヨキッチが異次元の活躍を見せてはいたが、その多彩なアイデアに他の選手が次々と絡むチームバスケが機能していた。そのため『ナゲッツらしさ』に乏しいと言わざるを得ない。 スタメン5人は能力が高く、連携も素晴らしいが、ベンチメンバーが入ると機能しないのがナゲッツの課題だったが、開幕からここまでスタメンが揃う時間帯も『ヨキッチ頼み』の印象が強くなっている。 82試合を通してそれをどう改善するかがレギュラーシーズンの課題なのだが、主力選手のケガでその進捗は遅れることになりそうだ。ジャマール・マレーは脳震盪プロトコルで2試合を欠場しており、現地11月6日のサンダー戦もプレーしない。そしてアーロン・ゴードンはラプターズ戦で右ふくらはぎの肉離れを起こした。 ラプターズ戦でのゴードンはわずか4分プレーしただけでコートを離れた。フロントコートの相棒であるヨキッチのプレーを完璧に理解し、彼の負担を減らす汗かき役をこなす。今シーズンは新加入のダリオ・シャリッチのプレーが低調な中、先発パワーフォワードのゴードンが2番手のセンターもこなし、ヨキッチをベンチで休ませる時間を作り出していた。 そのゴードンは数週間の欠場となる見込みで、その穴埋めは簡単ではない。指揮官マイケル・マローンは「ベンチの苦戦はサリッチの責任ではない。何試合か試した後、違うラインナップを試しただけだ」と言う。 サリッチをヨキッチと組ませ、ヨキッチを休ませる時間はディアンドレ・ジョーダンを起用する。あるいは若いペイトン・ワトソンやハンター・タイソンにチャンスを与える。そのどちらにしても、ヨキッチと長く組んでプレーしてきたゴードンの力強さと安定感を補うには不十分で、しばらくは苦しい戦いを強いられるだろう。 ただ、ナゲッツの選手層の薄さは、レギュラーシーズンのうちに、できれば早い段階で解決すべき問題だ。ヨキッチの才能を考えれば、そこに頼ってしまうのも無理はないが、さらにゴードンにまで依存するとなるとチームのバランスは悪すぎる。ナゲッツにとっては試練ではあるが、マレーの欠場がラッセル・ウェストブルックの奮起をうながしたように、フロントコートでも良い『化学変化』が求められている。